ストーブリーグが過熱! FA移籍に伴う人的補償
2014年も11月下旬に入り、ストーブリーグが一気に熱を帯びてきた。メジャー移籍に関する日本人選手の報道が過熱する一方で、国内FA移籍のニュースも連日のように注目を集めている。FA宣言した選手たちの行き先、人的補償によって獲得する選手、金銭補償の有効な使い方。FA移籍にまつわる複雑な事情に迫ってみた。
2014/11/22
ロッテはデスパイネ資金に充てる可能性も?
では、最後に、現状のFA移籍における人的補償を先読みしてみたい。
正捕手の相川を失ったヤクルトだが、若手の中村悠平が育っており、そのままキャッチャーを補強するとは考えにくい。ここ数年、投手陣の弱体化が顕著なだけに、巨人から投手を獲得すると見るのが妥当だろう。また、ヤクルトは日本ハムから大引を獲得したこともあって、逆に選手を失う立場でもある。ヤクルトには、過去に実績を残した潜在能力の高い若手投手が少なくなく、日本ハムのターゲットもそこに絞られるのではないだろうか。
貴重な先発左腕の成瀬を失う公算が高いロッテはどうか。ヤクルト入りが濃厚と言われており、狙いどころは日本ハムと同じになってくるだろう。ただし、ロッテには複雑な事情がある。今季途中から加入し、主軸として活躍したキューバ人スラッガー、アルフレド・デスパイネの残留問題だ。
今季の推定年俸が7000万円のデスパイネだが、その圧倒的な打力に複数球団が興味を示し、獲得を模索しているといわれる。年俸の高騰は避けられない状況だ。少しでも提示条件をよくするために、成瀬が移籍した場合の補償を金銭のみに絞るという可能性もあるかもしれない。
球団サイドとしては、いい選手ならば一人でも多く獲得したいという思いがある一方で、予算のやりくりも考えなければならないのが実情。人的補償と金銭補償が同時にからむFA移籍は、各球団にさまざまな心理が働くだけに、それを想像して予想を立てるファンの興味は尽きない。