井口、伊志嶺、鈴木大地……主将の系譜をつぐ中村奨吾はロッテで輝けるか?
今年のドラフト会議で千葉ロッテから単独1位指名を受けた早稲田大学の中村奨吾。ここ数年、ロッテは大学時代に主将を務めた選手を獲得し、主力選手として活躍している。同じチームの井口資仁にあこがれる中村。内野の選手層が薄い千葉ロッテなだけに1年目からレギュラーを勝ち取るチャンスは十分にある。
2014/11/23
目標とする井口選手と同じチームに入団
ドラフト会議から10日ほどたった東京六大学リーグ早慶第3戦。早大主将・中村奨吾は通算11号ホームランなど3安打を放ち、大学最後のゲームを締めくくった。
実はこの日、スタンドの片隅で、千葉ロッテのスカウトと中村のお父さんが笑顔で握手するシーンがあった。
大学生ナンバーワン野手の評価のあった中村。
だが4年で成績が振るわず、同僚の有原と比べたら上位指名の候補に名前が挙がってこなかった。
そこに、予想に反してロッテが1位で単独指名した。
優勝を逃すなど不本意なシーズンだったが最後に豪快な打撃。スカウト、家族も安堵の苦笑いだったのではないか。
ロッテは2010年の東海大・伊志嶺、2011年は東洋大・鈴木大地と大学野球部のキャプテンをドラフトで指名してきた。
そして今年の14年も。中村はそんな系譜を受け継ぐ。
「中村は主将をやってチームのまとめ方、引っ張るメンタリティも備わった。上のステージでも役に立つ」と4年間、中村の成長を見守った早大・岡村猛監督は言う。
本人も「背中で引っ張るだけなら楽なんです。でも、言わなきゃいけない時もあった。初めてキャプテンをやらせてもらって勉強になりました」と苦労を口にした。
期待通り鈴木大地は内野の要に成長しつつある。やはり筋と芯が通った選手はチームの中心になるのだ。
そういえば、今季はファーストを守ることが多かった井口も青山学院大では主将だった。井口は、将来の監督候補ともいわれる。
中村はそもそも、「目標の選手は三拍子そろった千葉ロッテの井口選手です」と公言していた。
「自分は4番を打てる打力もないですし、守備も華やかではない。タイトルを獲れるような走力もないです。三拍子のバランスで勝負していきたい。井口さんは打撃も3割を打って、盗塁王も獲られてます。守りも堅かった」
メジャーのホワイトソックス時代、セカンドゴロを前進して取って、反転。右肩が地面につきそうなダイビングスローで打者走者を刺したプレーを中村はよく覚えているという。