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福島蓮の存在が鎌ケ谷組に刺激――再び動き出した「下からの選手供給」【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#225】

カードの頭に支配下登録されてまもない福島蓮が先発した。福島の奮闘は鎌ケ谷組にとって最高のモチベーションアップとなっている。なにせ柳川大晟をはじめ1軍で飛躍しそうな選手がたくさん揃っているのだ。

2024/05/12

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産経新聞社



日本ハム・福島蓮

初勝利はお預けだが先発の仕事は果たす

 5月10日のロッテ7回戦(エスコン)は胸躍るマッチアップだった。エスコン初見参の佐々木朗希に、21歳の福島蓮が挑んだのだ。福島は今春、育成契約から支配下登録に昇格した190センチの大型右腕。佐々木朗希が岩手県陸前高田なら、福島は青森県八戸市出身だ。同じ東北出身、朗希はずっと憧れの存在だったという。敵地のソフトバンク戦で3タテを食らった後、若い福島にカード頭を任せ、しかもそれが朗希とのマッチアップなのだ。ファンはしびれる。福島本人のモチベーション爆上がりだ。
 
 これがなかなか見応えあった。ファイターズ打線は狙い球を絞って佐々木朗希を5回2/3(123球)8安打、5得点と攻略する。一方、福島蓮は4回1/3(80球)5被安打、3失点の内容だったが、スターターとしての役割は何とか果たせた。課題は制球面だったと思う。これで3試合(3先発)登板して14回1/3、14被安打、2被本塁打、自責点6、防御率3,77だ。角度のある150キロ台のストレート中心に試合を作っている。今はあらゆることが経験なので、チャレンジを続けてほしい。もう伸びしろしか感じない。数年後、ファイターズのエース格になっていてもぜんぜんおかしくない。早く初勝利が見たいなぁ。彼が投げると、特に鎌ケ谷育ちの若手中心に「フクシマを勝たせたい」とスイッチが入るのがわかる。
 
 で、今回は福島効果の話を書きたいのだ。今年のGW、鎌スタに出かけて、感じ入ったこと。
 
 関心のある方はぜひ鎌ケ谷を訪ねてほしいのだが、ファームの雰囲気が一変している。2軍監督が木田優夫さんから稲葉篤紀さんに代わったのもあるだろう。選手の出場機会をシステマチックに決めてる感じは木田さん時代と変わらないのだが、プレーしている選手のハツラツさが違う。野手に関しては田宮裕涼、水野達稀の活躍が大きいだろう。煎じ詰めれば「裕涼効果」だ。ついこないだまで2軍で一緒に汗を流してた田宮が上で大ブレークしている。「オレもやれる」、「オレにもチャンスをくれ」と思わない選手はいない。
 
 これは単純に木田さん稲葉さんの監督としての能力みたいな話じゃないだろう。同じ釜の飯を食った仲間から大飛躍する選手が出た刺激だ。大飛躍の元をたどれば木田さん時代に培ったものが効いてるかもしれない。そこに稲葉さんのモチベーターとしての資質が加わった結果なのかもしれない。いずれにせよ、鎌ケ谷はやる気マンマンだ。イースタンリーグでも目下、首位を走っている。5日の楽天戦では大活躍した今川優馬、野村佑希が試合途中で上がって、そのまま荷物をまとめて福岡(1軍のソフトバンク戦)へ旅立った。あれは象徴的だったなぁ。みんな、いつコールアップされるかわからない。想像してみてほしい。さっきまで試合に出てた同僚が試合中、1軍のアウェーへ向かうのだ。みんなの前で言われなくても、そんなの気配でわかるだろう。

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