阪神・鳥谷敬、狭くなった守備範囲。遊撃守備が“危険水域”に
ベストナインやゴールデングラブ賞など、数々のタイトルを獲得し“守備の名手”と呼ばれた鳥谷。しかし、ここ数年では数値から見ても守備力が低下しているようだ(数字は原則5月18日試合時点)。
2016/05/19
正遊撃手のなかで打撃は坂本、守備は安達がNo.1
12球団の正遊撃手の攻守のデータを見てみよう。
ソフトバンク 今宮健太 24歳 2本塁打18打点4盗塁 打率.187 守備率.988 RF4.63
日ハム 中島卓也 25歳 0本塁打10打点9盗塁 打率.295 守備率.981 RF5.10
ロッテ 鈴木大地 26歳 3本塁打21打点1盗塁 打率.312 守備率.975 RF4.76
西武 金子侑司 26歳 1本塁打 11打点 6盗塁 打率.253 守備率.943 RF2.04
オリックス 安達了一 28歳 0本塁打 9打点 1盗塁 打率.213 守備率.985 RF5.38
楽天 茂木栄五郎 22歳 1本塁打 19打点 4盗塁 打率.276 守備率.982 RF4.21
ヤクルト 大引啓次 31歳 0本塁打6打点 2盗塁 打率.317 守備率.984 RF5.00
巨人 坂本勇人 27歳 9本塁打26打点1盗塁 打率.356 守備率.956 RF4.94
阪神 鳥谷 敬 34歳 2本塁打18打点4盗塁 打率.248 守備率.964 RF3.88
広島 田中広輔 26歳 2本塁打9打点8盗塁 打率.313 守備率.974 RF5.33
中日 堂上直倫 27歳 1本塁打17打点0盗塁 打率.274 守備率.975 RF4.43
DeNA 倉本寿彦 25歳 0本塁打11打点1盗塁 打率.331 守備率1.000 RF4.05
鳥谷は正遊撃手の中では最年長となる。
過去には3割を打ち、通算打率は.284、出塁率も高かったが、今季は打撃でも低迷している。守備率も低く、RFも他球団の正遊撃手と比較すると見劣りする。1試合当たり守備機会が1個以上も少ないのでは、チーム成績にも影響するだろう。
遊撃手としての限界が近づいてきていると言って良いのではないか。
皮肉なことに、鳥谷敬が継続中の連続試合出場記録で鳥谷の上にいるのは現阪神監督の金本知憲。あと114試合継続すれば、鳥谷は金本と並んで史上2位になる(1位は衣笠祥雄の2215試合)。
金本監督も選手生活晩年、連続試合出場記録を更新しつつも故障や不振に悩まされ、苦労した。2010年には144試合フル出場したが途中交代が多く、規定打席に達しなかった。フル出場して規定打席に達しなかったのはNPB史上このケースだけだ。
鳥谷の状態がこのまま続くようだと、今後金本監督は、難しい判断を迫られるだろう。
ヤクルトの不動の正遊撃手だった宮本慎也は、選手生活晩年の2011年、三塁手にコンバートされた。守備機会が遊撃手より少ない三塁手となった宮本は3割をマーク、三塁の守備率のNPB記録を作った。
守備の衰えが目立ち始めた鳥谷も、コンバートを考えるべき時期が来ているのではないだろうか。