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田宮ら「人生が変わる」瞬間に立ち会う2024年。変わりつつあるチームカラー【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#226】

交流戦を前にしてAクラス。競争する方針が見事にはまり、若き才能がぞくぞくと開花している。選手、そしてチームが1試合1試合、確実に成長を遂げている。

2024/05/26

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産経新聞社



日本ハム・田宮裕涼

開幕前の解説者の予想を覆す健闘

 ファイターズは交流戦直前だ。昨夜の楽天5回戦(5/24)は則本昂大、田中正義両クローザーが2失点する大波乱(則本は今季初失点!)だったが、何とか延長戦で勝利することができた。来週からしばらくパ・リーグの戦いはお休みになるので、ざっくり総括しておいていいタイミングだと思う。今季ここまでのパ・リーグを簡単にまとめると「ソフトバンクの異次元の強さ」と「V3王者オリックスの意外な低迷」ではないか。開幕前の解説者予想ではこの2チームがパの軸になると言われていた。そのなかで(首位までだいぶ遠いが)ファイターズが2位につけているのは大健闘だ。現状、西武が最下位の泥沼に沈んでいるが、去年まであの位置にはファイターズがいたのだ。
 
 データにもはっきり示されているが、2年めの今シーズン、エスコンフィールドはやっとファイターズの「本拠地」になったんだなと思う。去年は自分たちが球場のサイズ感や天然芝グラウンド(とその切れ目)の感覚に戸惑って、ホームチームの強みを発揮できないでいた。今シーズンはホームで無類の強さである。バントの転がり方、外野フェンスやファウルゾーンの距離感、場内演出や球場の風景へのフィット感が見て取れる。すごい簡単に言うと慣れたのだ。慣れて使いこなせるようになった。
 
 そしてもうひとつ、同一ポジションに複数のレギュラー級を置いて、競わせる方針が功を奏している。これも簡単に言えば層が厚くなった。まぁ、単に「層が厚くなった」だけではドングリの背比べになるかもしれないので、ここでは競争がキーである。ファイターズはこれまでスター候補として手厚く保護されてきた清宮幸太郎、野村佑希を(ケガ、不振など事情はありながらも)レギュラーから外した。レギュラーは用意されているものではなく、奪い取るものだと示したのだ。いや、もっと言えば「レギュラー」という考え方自体、違うとも思える。出場機会が欲しいんだったら、一試合でも一打席でも多く奪い取れ、という感じだ。若い選手を中心に目の色が変わっている。それははつらつとした、風通しのいい雰囲気を作り上げている。

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