田村、吉田に追いつけ追い越せ。二軍でリセット、再昇格の江村が挑む若き正捕手争い【マリーンズ浦和ファーム通信#20】
千葉ロッテマリーンズの若き正捕手争いはし烈だ。2013年には64試合マスクをかぶった江村直也、一度抹消となったが10日間で再昇格。実力をいかに一軍で発揮できるか。
2016/05/23
千葉ロッテマリーンズ
悔しさをバネにひたすら練習
試合後に50メートルダッシュを繰り返した。誰もいないグラウンド。しかも、ビジターゲームのジャイアンツ球場。それでも場所が空いていることを確認して許可をとると日課のショートダッシュを8本、行った。
プロ6年目の江村直也捕手はキャンプからアピールを続け、開幕一軍の切符を手に入れた。その後も一軍で貴重なサブとして存在感を見せたが5月11日、ドラフト1位ルーキーの平沢大河内野手との入れ替えで登録抹消となった。悔しさをかみ殺しながら二軍に合流をした。なにかをせずにはいられない。体のキレを作り直すため毎日、走り込むことを日課にした。だから、この日も走った。5月19日のイースタンリーグの巨人戦の試合後。夕焼け空が広がる中、黙々と走った。
「抹消は悔しかったですけど、実力不足だから仕方がない。とにかく練習をして実力をつけるしかない。一軍と違って時間がある。試合前、試合後。空いている時間はどんどん練習をする。それしかないと思っていた」
ファームでは試合後、大村巌打撃コーチ、福沢洋一バッテリーコーチから時間を見つけては指導を仰いだ。様々な制約がある一軍と違い、時間はいくらでも練習に充てられるのがファーム。特打に特守。一軍でスタメンに名を連ねる吉田裕太捕手、田村龍弘捕手に追いつけ、追い越せとガムシャラな日々に明け暮れた。