田村、吉田に追いつけ追い越せ。二軍でリセット、再昇格の江村が挑む若き正捕手争い【マリーンズ浦和ファーム通信#20】
千葉ロッテマリーンズの若き正捕手争いはし烈だ。2013年には64試合マスクをかぶった江村直也、一度抹消となったが10日間で再昇格。実力をいかに一軍で発揮できるか。
2016/05/23
千葉ロッテマリーンズ
実力はある
一軍で、なかなか出場の機会に恵まれなかった。それでもベンチでライバル2人のリードを徹底的に研究し、勉強をし、自分なりの解釈を繰り返した。試合に出られない悔しさがないといえば嘘になる。でも、チームのためにできることはなにか。今の自分がすべきことはなにかと考え続けた。導き出した答えがあった。試合中、持ち前の明るさで声を出した。仲間を励ました。時には若い投手に気が付いたことをアドバイスした。そして自身、いつ出番が来てもいいように準備を怠らなかった。開幕から好調を続けるヤングマリーンズは、とにかく明るい。その中で大きな役割を担った一人だ。
「いつだってグラウンドでマスクを被っている気持ちでベンチにいるようにした」
だから二軍落ちを通告され、ファームの試合に出場することになっても実戦感覚のズレは少なかった。すぐに試合に入り、ベストパフォーマンスを見せた。その点を福沢バッテリーコーチは誰よりも評価をする。そして彼の持つ能力を、もっと引き出してあげようと努める。
「今の自分はすべての面で二人(吉田、田村)に負けている」と江村は言った。が、福沢バッテリーコーチは「それは違う」と否定した。差はわずか。ただ、本来、持っている能力を与えられたチャンスでしっかりとしたパフォーマンスとして発揮できているかどうかの違いだと分析した。
「二軍でやっているようなパフォーマンスを上でも見せることができればと思う。一軍では、いつものアイツではない。余裕がない。自信をつけさせるのが一番。そのために練習が必要だし、いろいろな引き出しの数を増やしてあげる手伝いが我々には大事」