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【データで選出5月月間MVP】近藤はわずか1ヶ月でWAR2.1を記録。巨人の吉川&坂本コンビは守備面で圧倒的存在感を発揮

2024/06/10

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産経新聞社、DELTA



月間最多勝の床田がまさかのランク外。質と量を兼ね備えた早川が12球団トップ

データでみる5月月間MVP【投手】
 
 投手のWARは投球の質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、「ゴロかフライかライナーといった打たれた打球の種別」、量は「どれだけ多くの機会をこなしたか」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出。それが何勝分に値するのか換算したものが投手のWARとなる。
 
 投手部門でパ・リーグは早川隆久(楽天)、セ・リーグでは才木浩人(阪神)がそれぞれ1.18、0.81とトップのWARを記録した。
 

 
  5月のセ・リーグで目立ったのは4勝0敗、防御率0.94とインパクトのある成績を残した床田寛樹(広島)だ。しかし本企画ではセ・リーグ5指の中にも入っていない。これには奪三振の少なさが影響している。床田の奪三振割合(奪三振/打者)は10.1%。リーグ平均(20%弱)に比べてもかなり三振がとれておらず、バックの守備に頼ってアウトをとることが多かったようだ。自責点こそ少ないものの、もっと失点していてもおかしくない内容だったとセイバーメトリクスの指標は語っている。
 
 かわりにセ・リーグでトップとなったのは才木。奪三振割合こそリーグ平均とそう変わらない19.0%だが、リーグ平均が8%ほどとなる与四球割合(与四球/打者)で4.8%と優秀な数値を記録。本塁打も1本も浴びずに5月を走りきった。
 
 パ・リーグの早川は奪三振割合が23.8%、与四球割合がわずか2.8%。この2つの指標で極めて優秀な値を残したうえ、パ・リーグトップの36.2イニングを消化した。単純に投球の質が優れていただけでなく、それを数多くの機会でこなしたことで12球団最高の値をマークしている。チームの失点を多く防ぐには優れた内容だけでなく、多くのイニングを投げることも求められるのだ。

 
DELTA@Deltagraphshttp://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

 

 

 
【了】

 

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