巨人・菅野、今季初黒星でも26イニング自責点0。プロ4年目で相手を圧倒し続けている理由
今季初黒星を喫した巨人の菅野智之。しかし、今季自責点はいまだ0だ。
2016/05/29
今季のテーマにふさわしい快投
不敗神話が崩れた。28日に本拠地・東京ドームで行われた阪神戦。今季10度目の先発マウンドに立ったエース・菅野智之は7回1失点の好投を見せた。しかし打線からの援護をもらえず、投げ合いとなった相手先発・岩貞祐太にプロ初完封を許し、自身は「スミ1」に泣いた。ここまで自らが登板した試合でチームは7勝2分だったが、ついに今季初めて黒星がついた。
この日は確かに立ち上がりから調子が良くなかった。初回は直球が抜ける場面が目立ち、ボール先行になる場面が多く制球に苦しんだ。一死一、二塁からマウロ・ゴメスの放ったショートへの内野安打を捕球した坂本勇人が三塁へ悪送球し、1失点。だが調子が悪いながらも2回以降は何とか修正し、連打を許さずスコアボードに「0」を並べた。
好不調の波に関係なく、マウンドに立てば常に最良の結果を求められるのがチームの「絶対エース」だ。そういう意味でも立ち上がりでコントロールに悩まされながら、大崩れせずに味方の失策がからむ最少失点のみに抑えた点は評価しなければいけないところだろう。しかも自責点ゼロの連続記録も、この日の好投によって26イニングにまで伸ばした。
今季の菅野が掲げているテーマは「圧倒」だ。相手打者をねじ伏せ、マウンド上で常に威圧感を漂わせるような投手になることをイメージしている。その最大の武器になっているのが、久々に解禁したワンシームなどの速球系を用いたインコース攻め。どちらかと言えば昨季までは要所で変化球を多投する巧みな投球術で相手打者をかわすことも多かった印象が、これによってガラリと大きく変わった。