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中日・田島、無失点記録継続中。担当スカウトが語る、“無名大学”出身の男が成功した理由

開幕からの28試合無失点記録をマークした中日・田島慎二投手。なぜ、彼は偉業を達成し続けるのか。田島のアマチュア時代を知る中日の担当スカウトを直撃した。

2016/05/28

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ブレのない「ひたむきさ」がプロでも飛躍の要因に

 地元・愛知産の逸材はプロ1年目からオールスターゲームを経験し、ペナントレースではチーム最多タイの56試合でマウンドに上がった。以後は多少数字を落とすシーズンもあったが、毎年50試合前後に登板するなど中日にとって欠かせない存在になった。そして今年、日本記録樹立で一気にブレイクした。

 それまでプロ選手を輩出したこともなければ、全国大会も無縁だった“無名大学”出身の田島がプロの水に合ったのはなぜか。中原スカウトは、その理由として田島の「ひたむきさ」を挙げる。

「すべてにおいてひたむきで、いわば『バカ正直』なタイプ。やるべきことを一途にやれるのがいい。プロとして、ブレることがないですからね」(中原スカウト)

 もともと、田島はひたむきにプロを目指してきた。

 大学4年生の春ともなれば、有力選手は社会人野球の企業から誘いがきて、就職内定を得ていく。だが、田島には内定がなかった。けっして社会人チームからオファーがなかったわけではない。ただ、田島に声をかけた企業は、いずれもプロとの“併願”を認めておらず、内定と引きかえに「プロ志望届は出さない」と約束するのが条件だった。

 プロ入りを夢見た田島は、内定ゼロのリスクを負いながらもプロを志望した。後に「プロ待ちOK(ドラフトで指名されなかった場合の入社)」を示したJR東海とは内定の間柄になったが、4年春はケガで投げられない時期だったにもかかわらず、田島は覚悟を決めていたのだ。

 揺らぐことなくプロを目指し、プロ1年目に活躍したときも、報道陣に「僕は偉そうなそぶりは絶対しないつもり。活躍してテングになるのはかっこ悪い」と話していた。

 そんなブレのない姿勢もまた田島の本質であり、今回の快挙につながったのだろう。

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