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パの打者は「待たずに初球からくる」。竜捕手陣は相手だけでなく自分のクセも研究せよ【小田幸平の眼】

いよいよ交流戦がスタート。昨年は圧倒的な強さを見せたパリーグに対して、中日ドラゴンズのバッテリーはどのように戦っていけばいいか? ドラゴンズOBで評論家の小田幸平氏に話を伺った。

2016/05/31

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杉山と桂は対戦相手だけでなく、自分も研究すべし

――話をドラゴンズに絞ると、実はそれほど交流戦を苦手にしていません。初年度の05年こそ大きく負け越しましたが、トータルでは通算140勝132敗10分と12球団中5位、セリーグでは巨人に次いで2位です。

小田 へぇ~。なかなかいいね!(笑) やっぱり優勝したときは、交流戦の成績も良いんですよね。

――ドラゴンズの投手陣、捕手陣は交流戦でどのような部分に気をつければいいでしょうか? 特に、今のドラゴンズを支える杉山、桂の両捕手は、パリーグとの対戦経験がまだそれほどありません(昨年の交流戦のスタメンマスクは杉山が10試合、桂は0試合)。

小田 今、パリーグのチームは、杉山と桂がどのようなキャッチャーで、どのようなリードをするのかを分析しているはずです。たとえば、「カウント2-0になったときにどのような攻め方をしてくるのか、どんな球種のサインが多いのか、どのようなクセがあるのか」などを調べているでしょう。対戦相手のチームを研究するときは、まずキャッチャーを調べるものですからね。
 杉山と桂も、今は対戦相手の打者の研究をしていると思います。でも、僕はそれだけじゃなく、2人は自分のことも研究しておいたほうが良いと思うんです。

――対戦相手のことを知るだけではなく、自分のことも知っておいた方が良い?

小田 はい。初めて対戦する場合、相手を研究するのは当たり前ですよね。でも、相手もこちらのリードや攻め方を研究してきますから、そこを狙われる可能性があるわけです。そのとき、相手が知っていることを自分も知っておけば、裏切ることもできるし、裏の裏をかくこともできるようになります。

――なるほど! 

小田 僕は現役の頃、自分のクセを徹底的に研究していました。キャッチャーには、カウントによってミットの構え方が変わったり、要求する球種の傾向があるなど、いろいろなクセがあるものなんです。フォークのサインを出すと右膝がつく、とかね。
 自分を見つめ直し、自分を知ることで、勝機は見つかると思います。杉山と桂には頑張ってほしいですね!

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小田幸平(おだ・こうへい)
1977年3月15日、兵庫県高砂市出身。ニックネームはODA(オーディーエー)。市川高校、三菱重工神戸を経て、97年ドラフト4位で巨人に入団。06年に野口茂樹の人的補償として中日に移籍。谷繁元信現監督の控え捕手として、チームのリーグ優勝3回、日本一1回に貢献。現役引退後は野球解説者はじめトークショーや講演、野球教室、イベントなど精力的に活動している。

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