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交流戦でパリーグが強いのは理由がある。今一度「ファンが望む形」へ原点回帰を【小宮山悟の眼】

いよいよ今季も交流戦がスタートする。少しずつ開催概要も変更になっているが、それは果たして「ファンが望む形」へとなっているのだろうか。

2016/05/31

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なぜパリーグが強いのか?

 個人的なことを言えば、交流戦でどちらのリーグが勝ち越すかに、それほど大きな関心を寄せていない。

 DH制を採用しているパリーグのチームのほうが、チーム力が高いのは明らかだからだ。セリーグチームのホームではDHなし。パリーグチームの主催ではDHあり。一見すると、条件は一緒だが、もともとチーム編成上、DHという打力に特化した選手を考慮しているパリーグのチームと、打力に優れた控え選手を交流戦期間中だけDHに据えるセリーグのチームでは差が出てきてしまう。

 今年もきっとパリーグが勝ち越すだろう。それは仕方ないことなのだ。

 もし、どうしても一気に開催する必要があるのなら、例えば、Jリーグのカップ戦のように、レギュラーシーズンと切り離すやり方で行えばいい。そうすれば、その期間の優勝チームやMVPを決めるというやり方にも納得できるのだが……。とにかく、1カ月弱の期間でまとめて交流戦を行い、その期間の最高勝率チームを決め、しかも個人成績もレギュラーシーズンのものに反映させるという現在のやり方には違和感を覚える。

 どうすれば交流戦がより興味深いものになるか。それを考えるためには、今一度、交流戦が誕生したきっかけを思い出しなおす必要があるだろう。

 2004年のプロ野球再編問題をきっかけに、「ファンが望むものは何か?」という視点から、普段あまり見られない対戦カードを提供しようと始まったのが交流戦だ。

 現在、交流戦開催に合わせて千葉ロッテでは、対戦相手を揶揄した面白ポスターを作成していて、それが好評を得ているという。そういう球団個々の努力は、大いに評価したいと思う。だからこそ、交流戦の開催概要というシステム全体を話し合う場でも、「ファンが望むものは何か?」を追求する姿勢を忘れないでもらいたい。

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小宮山悟(こみやま・さとる)

1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。

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