戸田、カープ左腕の系譜を受け継ぐか。マエケンのアドバイスがさらなる成長のきっかけに
開幕前にエース・前田の移籍したカープ。強力な打線を擁し、セリーグで首位に立つ。あとは投手陣だ。特に「左腕投手の台頭」があれば、より戦力は盤石なものとなる。
2016/06/02
前田健太からのアドバイス
ストレートに「力強さ」を与えるものは何なのか?
そのヒントはシーズンオフの自主トレにあった。エースとしてチームを牽引してきた前田健太とのキャッチボール、彼は多くのことを感じ取った。
「真っ直ぐを投げるときの、指のかかり方をアドバイスしてもらいました。僕は、良いときと悪いときの指のかかりが違っていました。しっかりとした、強いリリースポイントです。マエケンさんが、一球ごとに声を掛けてくれて、感覚がつかめるようになっていきました」
春季キャンプ、戸田は好調をキープしながらも、指のマメをつぶしてしまい、開幕一軍争いから離脱した。そこからフォームも崩してしまい、一軍に復帰できたのは、開幕から1カ月後であった。
彼は、その悔しさを無駄にはしない。むしろ、今後のための経験としても捉えている。
「指へのボールのかかり方が良くなったことも関係していると思います。しかし、もう少し普段のケアをしっかりしていれば、指の負担も違っていたはずです。ケアもしながら、全てが指の先に力が伝わるフォームを目指していきたいです」
一軍復帰から1カ月、すでにフル回転の活躍である。5月13日のドラゴンズ戦で今季初先発をすれば、1週間後のタイガース戦では延長12回に登板し、プロ初セーブもマークした。
「左投手は数が少ないだけに、右投手よりもチャンスは多くあると思います。しっかり自分のものにしていきたいです」
6月10日に23歳を迎える左腕は、台頭を望まれる若手というだけではない。チームへの責任感もみなぎっている。
「(左投手がチームにいない)とか言われたくはありません。そのためにも頑張っていきたいです」
開幕から好調のカープ。若き左腕の台頭は、チームを25年ぶり悲願の優勝へと加速させるはずである。