鷹ドラ1の高橋純平、リハビリを経てたどり着いた二軍初登板。黄金ルーキーが踏み出したプロの第一歩
ホークス期待のドラ1ルーキー・高橋純平がついに28日の広島戦で二軍戦初登板を果たした。
2016/05/30
先輩も恩師も、その実力に太鼓判
他球団の注目ルーキーとは反して、高橋のプロ野球生活はリハビリからのスタートだった。
昨夏の県岐阜商時代に痛めた左太もも裏をかばう癖がついてしまい、体のバランスを崩してしまっていたのだ。
金の卵を大切に育てようと、球団は慎重にプロセスを踏んだ。
焦りのようなものが出てきてもおかしくはないが、高橋にそのような姿は見受けられなかった。というより、人に自分の弱みを見せないタイプなのかもしれない。実際は、他球団の注目ルーキーたちの活躍というより、チームの同期達が次々とデビューしていく姿に刺激を受けていたという。自分もいち早く、実戦で投げることを目標に、ポーカーフェイスでひたむきに練習に取り組んできた。
初登板を前に、ホークスのファーム本拠地・HAWKSベースボールパーク筑後に練習見学に訪れていた県岐阜商の太田郁夫コーチは、「高校時代も悩みはあっただろうけど、その悩みの水準が人よりはるかに高いし、できないことがあると、ひたすらやってできるようにしてくる子でした」と、彼の負けず嫌いさ、そして常に高いところに意識を置いて取り組んできたことを教えてくれた。
当然、ドラフト1位の素材はピカイチだ。
太田コーチも「40年近く見てきて初めて」と評する高橋の直球は、「同じ150キロでも、他の選手の150キロとは違う質の高い球で、風を切る音がした」と高校時代を振り返る。
先日、高橋の打席に入った明石健志も「パワー系の重いボールで不思議な球筋だった」と評価。対戦経験はないが、高校時代のピッチングを見たことがあるという上林誠知も、「まっすぐの威力がすごい。他の高校生とは違うなってのはありました」と先輩からもその実力は折り紙つきだ。
そんな高橋は自分自身の現状について「日本でもメジャーでもしっかりやれているダルビッシュさんや田中将大さんを10としたら、自分はまだ0。一試合で結果を残せたとしても、次ダメだったら何も残らない世界なので、一つひとつに一喜一憂せず、平均を上げるために練習しています」と冷静だ。平均を上げることで、不調時でもコンスタントに結果を出していくため、すべてにおいてのレベルアップを図っている。
こうした受け答えからも、しっかり考えて行動できる高橋のスマートさがわかる。
「まずはケガをしないこと、リハビリ組に戻らないことです」――高橋にとって、長い長いプロ野球人生がようやくスタートした。