【5月29日千葉ロッテ対福岡ソフトバンク戦、BBC独自採点】マンオブザマッチはファインプレーでロッテの勢いを止めた城所
5月29日、千葉ロッテ対福岡ソフトバンク戦は4-6で福岡ソフトバンクが勝利を収めた。現地取材に基づき、この試合をベースボールチャンネル独自基準にて採点を行ってみたい。
2016/05/30
採点基準
8 シーズンに1試合あるかないかの活躍
7.5 突き抜けた活躍
7 勝利貢献度上
6.5 勝利貢献度中
6 勝利貢献度小
5.5 活躍した選手
5 可もなく不可もない
4.5 足を引っ張った
4 敗戦につながるミス
3.5 退場など試合を壊す
さらに現地取材の内容を加味します。
味方を信じて生まれた殊勲の好プレー
野球のゲームには流れがあり、それを同者にしていくかは個の力であり、その個を引き出すのがチーム力である。
首位攻防のロッテVSソフトバンクの試合はまさにこれぞプロの個のプレーに見せられたゲームだった。
試合はロッテ先発の唐川の立ち上がりを叩いたソフトバンクが優位に進めていく。1回表、1死から2番・今宮が四球で歩くと、3番・柳田が右翼前安打を放ち1、3塁と好機を拡大、4番・内川の右翼犠飛であっさり先制した。2回には、1死から8番の鶴岡が右翼前安打で出塁。二死になって1番の城所四球で1、2塁とすると、2番・今宮がカウント3ボールから強振して左翼前に落とすタイムリーで1点を追加。さらに2連続四球で押し出し。3-0とリードを広げた。
反撃したいロッテは、直後の2回裏、先頭のデスパイネ四球のあと、5番のナバーロが右翼前にヒットを放つと、デスパイネは三塁へ。続く鈴木大地は遊撃ゴロ併殺打に倒れるが、デスパイネが生還。さらに3回裏には、2番・高濱の右翼スタンドへ飛び込む本塁打が飛び出し、ロッテは食らいついた。
その後、ロッテは5回から継投、ソフトバンクは先発の武田が粘り強く投げて熱戦を演出、試合は終盤に向かった。
先に得点を挙げたのはソフトバンクだった。7回表、2死から7番・中村が左翼前安打で出塁すると、8番の鶴岡が左中間を破る適時二塁打を放ち1点を突き放したのだ。
ところが、ロッテはここで引き下がらない。1死から7番・鈴木が右翼超え二塁打で出塁。7番・細谷は三振に倒れたが、ここで伊東監督は代打・井口を送り込んだ。すると井口はカウント2-2から5球目、武田のストレートを捉えて左中間スタンドに放り込んで同点としたのだ。
歓声に包まれるマリンスタジアムは、それまでのソフトバンク優勢の空気を一新させるものだった。これが個の力で流れを呼び込んだシーンだったといえるだろう。
8回裏にもロッテムードは続く。先頭の角中が中前安打で出塁、4番・デスパイネを迎えた。デスパイネは2球目を叩くと打球は右中間へ上がった。長打になりそうな打球だったが、これをソフトバンクの右翼手・城所が決死のダイブを見せ、ボールを掴んだのだった。打球を見て、スタートを切っていた角中は一塁に戻れずに併殺となった。
9回表、エラーで出塁した走者を置き、6番・松田が試合を決め豪快な一発を左翼席に叩き込んだ。
個の力で変えたゲームの流れを、また個の力で呼び込んだ。
ソフトバンクが6-4でロッテに競り勝った
試合後、殊勲の好プレーを見せた城所は「投手と打者の力量を見ながら判断して守っています。あの打球が飛んだ時に、僕がチャレンジして、ギータ(柳田)が回りこむという場面だったから飛びついた。ライト線とかなら飛び込めていない。走者はだいぶ前に行っていたので、取れていなかったら1点はやられていた。うまく守れた」と振り返った。そして、こう付け加えた
「僕のプレーが流れを変えたというより、ギータがいたからできたし、(決勝本塁打を打った)松田さんがすごいんです」
マン・オブ・ザ・マッチには無安打ながら、城所を選出した。