「打高投低」はもはや昔の話 9年続けて防御率1点台が誕生したパリーグ【2014年タイトルホルダー 最優秀防御率編】
かつては3点台での受賞もあったパリーグの最優秀防御率のタイトル。しかし、ここ数年は全く状況が変わった。今年も防御率1点台で金子千尋が受賞。これでパリーグは9年連続で防御率1点台の投手が誕生した。一方のセリーグは途中戦線を離脱しながらも、年間を通じて安定感ある投球を見せた菅野が2年目にして初受賞となった。
2014/11/26
2年目の菅野が初受賞、巨人のエースへ
セリーグの最優秀防御率は2.33で菅野智之がプロ2年目で初のタイトル獲得となった。
今シーズンは、開幕戦での初登板から6連勝。交流戦に入るまでの成績は7勝1敗、防御率は1.70とした。
交流戦は勝ち星こそ1勝止まりだったが、防御率1.70と投球内容は悪くなかった。交流戦を終えた6月末の時点で防御率は1.71、14試合を投げ自責点4以上の試合は1試合しかなかった。
ところがペナントレースが再開すると突如の乱調。
7月1日の広島戦は6回2/3を投げて自責点6、7月25日の中日戦は4回1/3、自責点7でKOと、7月の月間防御率は6.12で、通算防御率は一気に2.56となり、前田健太に先行されたほか、6月は防御率1点台を切るほどの好調だった大野雄大にも抜かれてしまった。
4月20日が初登板と出遅れていた岩田稔も規定投球回には達していなかったものの、7月は1.25、通算1.97とし、タイトルの争いは一気に混沌としてきた。
8月に入ると菅野を登録抹消される。
しかしその他の投手も揃ったように不調で、結果的に登板1試合のみだった菅野が防御率を落とさずにすみ、これがタイトルの行方を決めた。
菅野は9月10日の復帰後、防御率0.87。9月の大野は1.35、前田は2.20と盛り返したが、ともに8月が悪すぎた。
岩田は最終登板で規定投球回に乗せたが、最終的に2.54で追いつけなかった。