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金村尚真のボールは一級品。伸びしろ十分「勝てるピッチャー」としての期待【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#228】

交流戦明けから、なかなか波に乗れていないファイターズ。そんななか、金村尚真がついに今季先発初勝利を収めた。課題はまだまだ多いがこれからのファイターズを背負う投手。期待値が非常に高い。

2024/07/06

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産経新聞社



日本ハム・金村尚真

粘りの投球で今季先発初勝利

 交流戦明けのファイターズはちょっと投打がかみ合っていない。「投打がかみ合わない」というのは、つまり投手が頑張ってるときは打線が打てないし、打線が点を取ったときは投手が打たれてしまうようなチグハグさのことを言う。暑くなってきて投手はバテはじめる頃合いだろう。打に関しては松本剛、水野達稀の離脱が大きいと思う。リリーフが打たれて競り負けたり、あと1本が出なくて追いつけなかったり、誠にファンにとってはフラストレーションのたまることだ。不思議なもので、あれほどハツラツとして見えていたミレニアム世代の選手たちがなんとなく疲れているように感じたりする。まぁ、正直(絶対に本人は口にしないだろうが)疲れていないわけがない。何人かの主力はこんなに長い期間、プロでスタメンを張った経験がないのだ。
 
 そんななかで光明であったのは7/2のロッテ13回戦、金村尚真ががついに先発で今シーズン初勝利を掴んだことだ。金村はセットアッパーとして開幕を迎え、6試合連続ホールドを記録するなど抜群の安定感(10試合で防御率0.63)を発揮した。が、5月に先発に配置転換されてからツキがなかった。5試合連続QS(クオリティスタート)と試合を作っていながら味方の援護がなく、勝ち星に恵まれない。若い金村が頑張っているのに、どうして打ってくれないんだとファンはヤキモキした。めぐり合わせというのか、そのシーズン好投するのになぜか勝てない投手というのが各チームに出現する。かつては山本由伸がそうだった。ここ最近では西武の隅田知一郎がL党の涙を誘った。素晴らしいピッチングをするのだ。なのに「(投)打がかみ合わない」。ファイターズの金村尚真は有力な新人王候補だと思うのだ。ただそのためには(イニング数&防御率だけでなく)勝ち星の印象も大事だ。やっと先発で勝たせてやれた(珍しく11安打、8点も取った)のは、大変喜ばしいことだった。
 
 ただ出来自体は決していいわけじゃなかった。6回投げて9被安打、3失点である。四球も多かった。これまでもっといいピッチングをして勝てなかった試合もある。そこら辺が相手のある、勝負事の面白いところだ。ポイントとなったのは3回表、無死満塁でソトをショートゴロ併殺に仕留めたシーンだろう。あそこで試合の流れをグッと掴んだ。

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