「唯一の優勝未経験」オリックス金子千尋、勝率6割と100勝の真の価値
5月20日にNPB史上133人目の100勝を挙げたオリックスの金子千尋。優勝を経験したことはないものの、金子の勝率は通算.637と高い。
2016/06/02
勝率トップは藤本の「.697」
オリックスのエース、金子千尋は5月20日、NPB史上133人目の100勝を達成した。
金子の勝率が極めて高いことは、各メディアでも紹介されているが、もう少し詳細に数字を見て、金子の勝率の高さの価値を検証したい。なお、NPBのサイトにも通算勝率のランキングが掲載されているが、通算2000投球回以上が対象のため、当ランキングとは異なるので、あらかじめお断りしておく。
100勝以上の投手の勝率15傑
1.藤本英雄(巨人、中日)勝率.697 200勝87敗
2.大友工司(巨人)勝率.695 130勝57敗
3.稲尾和久(西鉄)勝率.668 276勝137敗
4.柚木 進(南海)勝率.658 123勝64敗
5.斎藤雅樹(巨人)勝率.652 180勝96敗
5.江川 卓(巨人)勝率.652 135勝72敗
7.杉内俊哉(ダイエー・ソフトバンク、巨人)勝率.648 142勝77敗
8.御園生崇生(阪神)勝率.645 127勝70敗
9.上原浩治(巨人)勝率.644 112勝62敗
10.松坂大輔(西武・ソフトバンク)勝率.643 108勝60敗
11.和田 毅(ソフトバンク)勝率.642 113勝63敗
12.杉浦 忠(南海)勝率.638 187勝106敗
13.金子千尋(オリックス)勝率.637 100勝57敗
14.杉下 茂(中日、大毎)勝率.636 215勝123敗
15.別所毅彦(南海、巨人)勝率.635 310勝178敗
球史に名を残す大投手揃い。現役では杉内、和田、MLBへ移籍した上原、そして金子が名を連ねているが、実はこの顔ぶれの中で、金子千尋だけが全く異質の存在だ。
他の14投手は、いずれもチームのリーグ優勝を経験し、エースとして優勝に貢献している。
しかし金子が所属するオリックス・バファローズは金子が入団した2005年以来、いちども優勝していない。ポストシーズン進出さえ2008年と2014年だけ。
金子は下位に低迷するチームで、.637という極めて高い勝率を誇っているのだ。