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【データで選出6月月間MVP】交流戦で大暴れの水谷瞬が12球団トップ。ノーヒットノーラン&月間防御率0.00の大瀬良大地はまさかのランク外

2024/07/08

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産経新聞社、DELTA



月間最多勝の床田がまさかのランク外。質と量を兼ね備えた早川が12球団トップ

データでみる6月月間MVP【投手】
 
 投手のWARは投球の質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、「ゴロかフライかライナーといった打たれた打球の種別」、量は「どれだけ多くの機会をこなしたか」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出。それが何勝分に値するのか換算したものが投手のWARとなる。
 
 投手部門でパ・リーグは早川隆久(楽天)、セ・リーグではフォスター・グリフィン(巨人)がそれぞれ0.87、1.10とトップのWARを記録した。
 

 
 6月に好投した投手と言えば大瀬良大地(広島)の名前が思い浮かぶ読者は多いだろう。大瀬良は7日のロッテ戦でノーヒットノーランを達成すると、4度の登板で1失点も許すことなく、月間防御率は驚異の0.00。しかし本企画では5位以内に入ることすらできなかった。実はノーヒットノーランを達成した日の大瀬良はわずか奪三振2に対して与四球は5。三振を取れないどころか多くの四球を与えており、バックに大きく助けられながらの記録達成だったようだ。月間を通しても三振が少なく、四球も多かったことが原因で評価を落としている。
 
 かわりにセ・リーグでトップとなったのはグリフィンだ。奪三振割合(奪三振/打者)で34.0%とおおよそ対戦打者の3人に1人を三振に仕留める一方、与四球はわずか1.9%。さらに本塁打は1本も許しておらず、投球の質という点では文句なしだった。
 
 パ・リーグは早川が2ヶ月連続でのトップとなった。今月の早川は奪三振割合が30.2%、与四球割合が4.7%。グリフィンほどではないが2つの指標で極めて優秀な値を残した。また、被本塁打は先月に引き続いて0本で、4月19日以来2ヶ月以上にわたって1本の本塁打も許していない。果たしてどこまでこの記録は続くのだろうか。

 
DELTA@Deltagraphshttp://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

 

 

 
【了】

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