オールスター初出場の水谷瞬は復調のきっかけ。チームは「エンジン再点火」へ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#229】
先日球団に招かれ、50周年シリーズの企画としてトークショーを行った。このシリーズでは疲れの見えていた選手たちが復調のきっかけをつかんだ。若きチームがどう後半戦を戦うのか、とても楽しみだ。
2024/07/21
産経新聞社
失速気味だったチームに光
光栄なことに「ファイターズ50周年シリーズ」に招かれ、エスコンフィールドでトークショーをやってきた。去年、球団の方から球団創設50周年を迎えるに当たって協力してほしいと打診を受け、もちろん一も二もなく快諾したのだが、たぶん50周年記念冊子みたいなものに寄稿するのかなぁと想像していた。で、実際、「50周年記念冊子に大社義規初代オーナーについて書いてくれ」というオファーが来て、おー、これかなと思ったらそれはベースボールマガジン社の企画だった。球団から来たのはもっとずっと派手なやつだった。
7月14日ソフトバンク戦の試合後、2009年優勝監督の梨田昌孝氏、ファン歴50年のF党 伊集院光さんと3人でグラウンドに降りてトークショーをやる。構成は任せるから30分の尺でファイターズの50周年を振り返ってくれ。
うわああ、と焦る。このメンバーで座談会ならわかるけど、客前なのだ。間違いなく僕はアガる。まぁ、困ったらプロの伊集院さんに頼ればいいかなと思って、ライターらしくトークの柱を2本立てることにした。ひとつは1980年(大沢ファイターズ、パ優勝の前年)、後楽園球場を満員札止めにした「10・7決戦」を、近鉄側の選手だった梨田さんに語ってもらうというもの。これは「勝った方が後期優勝」の大一番だった。もちろん50年ファンを続けてきた僕や伊集院さんには熱い思い出がある。もうひとつは09年、ハムの梨田監督としてパ・リーグ優勝を掴んだ裏話。夏場、集団インフルエンザが発生したり、CSでスレッジの逆転サヨナラ満塁ホームランが飛び出したり、ストーリーが多彩なのだった。トークは梨田さん、伊集院さんの話にさすが深みがあり、とても充実したものになった。何とか大役を果たせたかなとホッとしている。
で、この際だから50周年シリーズを3試合見てきたのだ。14日ソフトバンク戦(伊藤大海7勝、万波&レイエスホームラン等で快勝)、16日楽天戦(レイエス3ランで逆転するも追いつかれ、延長戦へ。10回、田宮サヨナラ適時打で勝利)17日楽天戦(金村尚真4勝、水谷、万波ホームラン、マルティネス適時打で勝利)。大敗した15日楽天戦だけ見ていないので、結果的に全勝だ。失速気味だった新庄ファイターズは「エンジン再点火」といったところ。万波中正、レイエスに当たりが出てきて、疲れの見えていた田宮裕凉、水谷瞬は復調のきっかけをつかんだ。