ロッテ・石川歩、防御率1点台の要因は左打者の被打率と残塁率。外に沈むシンカーが生命線
千葉ロッテの石川歩は現在、規定投球回数に未達ながらも防御率1点台をマークしている。
2016/06/07
左打者に対しての被打率は.176
規定投球回には足りていないものの、現在パリーグの防御率トップに値する選手が、ロッテの石川歩だ。2013年ドラフト1位でロッテに入団し、14年パリーグ新人王に輝いたプロ3年目の右腕だ。石川のプロ1年目からこれまでの成績は以下の通りとなっている。
2014年 25試合 10勝8敗 防御率3.43
2015年 27試合 12勝12敗 防御率3.27
2016年 8試合 5勝2敗 防御率1.14
プロ入りから2年連続で二桁勝利を挙げている石川。今季は寝違えによる首痛で出場選手登録を抹消されたが、5月31日の広島との交流戦(QVCマリン)で好投。一時、防御率リーグトップに躍り出た。
現在は規定投球回を下回っているが、8試合に登板して5勝2敗、防御率は1.14と1点台を誇っている。好調の要因は、石川の最大の武器であるシンカーにある。右打者には真っ直ぐとスライダー、カーブを投げ分け、左打者には外角に沈んでいくシンカーが有効だ。
気になるデータがある。以下は今季の石川の左右の打者に対する被打率だが、その違いははっきりしている。
◆今季の石川の左右打者別の被打率
右打者 被打率.308
左打者 被打率.176
ここまで右打者に対しては3割を超える被打率となっているが、左打者には1割台と安打をほとんど許していない。防御率1点台の好成績は、左打者を完全に牛耳っていることが背景として考えられる。
過去2年間の左右の被打率をみても、14年は右打者に対して.268、左打者には.281となっていて、15年は右打者に.282、左打者に.268と完全に数字が逆転したことになる。
通常、右投手が先発の場合は左打者を先発起用するが、石川の場合はそれが裏目に出る可能性が大きいのだ。