【データで選出7月月間MVP】4勝&防御率0.00の中日・髙橋はセイバー的にも圧巻。パ・野手には好調・ロッテから3名がランクイン【コラム】
2024/08/07
産経新聞社、DELTA
広島・矢野が圧倒的な守備力を発揮。ソフトバンク・周東は驚異の守備範囲でパ・リーグトップ
守備評価には同じイニングを守った平均的な同ポジション選手と比較してどれだけ失点を防いだかを表すUZR(Ultimate Zone Rating)を使用する。しかしUZRは同ポジションの選手との守備を比較する指標であるため、異なるポジションの選手を比較する際はポジション間の補正を行う必要がある。一般的に高い守備力、もしくは独自性のあるスキルを要するポジション(遊撃手や二塁手、捕手など)を守った選手はプラスに補正をかけ、その逆のポジション(一塁手や左翼手など)はマイナスの補正をかけるといった具合だ。この守備位置補正をUZRに加えたものが守備貢献となる。
守備では矢野雅哉(広島)が圧倒的なはたらきを見せている。7月は平均的な選手に比べ、守備でチームの失点を5.1点防いだという評価だ。今季から遊撃のレギュラーに定着した矢野。ここまでのUZR10.5は2位の源田壮亮(西武)に大差をつけたトップだ。課題の打撃面でも成長を見せており、7月はリーグの平均的な打者に比べ2.6点分得点を増やしている。シーズン通して好調を維持できれば、自身初となるゴールデン・グラブ賞やベストナインのタイトルも十分狙えるだろう。
ランキング外も含めた全選手を対象に守備を見ると、周東佑京(ソフトバンク)も優れたはたらきを見せた。7月は平均的な選手に比べ守備で4.9点もの失点を防いだという評価。これはパ・リーグでトップの数値だ。26日のオリックス戦では、頓宮裕真が放った左中間への大飛球をフェンスに激突しながらジャンピングキャッチ。さらに28日のオリックス戦でも、森友哉が放った左中間への大飛球をふたたびフェンス間際でキャッチ。俊足を活かした守備範囲の広さで、何度もチームの失点を防いだ。