光星学院(現八戸学院光星)出身、阪神・北條史也とロッテ・田村龍弘。2人の母が語る「次なる夢」――幼馴染のプロ初対戦
幼き日から白球を追ってきた2人が1軍の舞台で顔を合わせた。7日からのロッテ対阪神の交流戦3連戦で、ロッテ・田村龍弘捕手と阪神・北條史也内野手が対戦。3試合ともスタメンで出場した。お互いをライバル視してきた2人は、それぞれの道を歩み、そして、現在地を確認した。
2016/06/10
初対決には、双方の母親の姿も
月日が流れ、いよいよ、その時が来た。
6月7日、QVCマリンフィールド。田村は9番・捕手で、北條は2番・セカンドで先発メンバーに名を連ねた。1回表、北條の第1打席は空振り三振。2回裏に回ってきた田村の第1打席も空振り三振だった。田村は4回裏にライト前にヒットを放ったが、北條はバントを失敗するなど、3打数無安打。1軍初対戦は田村に軍配が上がったが、翌8日、北條は4回にタイムリーヒットを放って意地を見せた。
7日の試合には、田村の母・多津代さん、北條の母・ゆかりさんが光星学院時代のチームメイトの父兄とともに駆けつけていた。「タツと史也、楽しみやなぁ」と盛り上がる中、北條の母・ゆかりさんは「タツは出るやろうけど、史也がな」と心配していたが、スタメンだと知り、安堵していた。
田村の母・多津代さんが感慨深げに語る。
「こんなに早く(4年目)、対戦できるとはね。今年の初めにタツが言っていたんですよ。『史也、もうじき上がってくんで。あいつ、絶対に上がってくるよ』って」
「やっとかという感じですね」とは北條の母・ゆかりさん。そして、こう続けた。
「あの2人が1軍で対戦するところを見れて感激です。タツのほうが先を行っているからね。史也は“カメ”やから。“ウサギ”は速いけど、地道に真面目にコツコツやっていれば、追いつくんやからと言ってきて。こうして同じステージに立てましたからね。タツはまだまだ先を行っているけどね」。
田村、北條を幼き日から知る人たちの方が盛り上がり、2人の携帯は「夢の対決やな」と鳴りっぱなしだった。
田村の母・多津代さんは「プロに入る時、一緒になることがあるのかなとも思ったけど、甘くなかったですからね」と笑い、「また高校の時のように日本代表に選ばれてくれたらチームメイトとしてプレーしているところを見られるのに。そのくらいになってほしいですね。もう1回、同じユニホームでやっているところを見たいので、2人とも、まだまだ頑張ってもらわないと」と次の夢を話す。それは北條の母・ゆかりさんも同じだ。
「また、何年後かにね。頑張って、怪我をせずに、またいつかね」