ソフトバンク城所、打撃開花の理由。「脱セオリー」の発想が転機に
昨年、埼玉西武ライオンズ・秋山翔吾は、打撃フォームを大幅に変えて、シーズン最多安打の日本記録を達成した。そして、今年。ソフトバンクの城所龍磨も打撃フォームの常識を打ち破り、大きく転機を迎えた。
2016/06/12
突然の打撃開眼
「脱セオリー」
昨今のプロ野球の打者たちを見ていると、そんなフレーズが思いつく。
真っ先に思い浮かぶのが昨季、シーズンが最多安打の日本記録を達成した西武・秋山翔吾だ。
秋山は昨季から大幅にフォームを変えた。
上段に構えていたトップの位置を肩のラインくらいまで落とし、脱力する。そこからバットを出していくが、その際のバットの軌道は本人曰く「僕の感覚ではアッパースイング」というものだった。
秋山のような俊足・巧打者タイプだと、ゴロを転がすような叩きつけるバッティングを意識しがちだが、秋山はその常識から抜け出したのだ。その末の大記録達成だった。
今季、その秋山のように変革を目指している打者がいる。
ソフトバンクの城所龍磨選手である。
こういっては失礼だが、城所はかつての秋山以上に『守備の人』のイメージがする選手だ。その城所が10日現在、33試合60打数20安打、打率.333をマークしているのだ。5月には3195日ぶりとなる本塁打を記録した。
最近はレギュラーにほぼ定着。たとえスタメンを外れた場合でも、以前までは守備固めか代走が役回りだったのが、代打のピースとしてもしばしば起用されているほどだ。
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