ソフトバンク城所、打撃開花の理由。「脱セオリー」の発想が転機に
昨年、埼玉西武ライオンズ・秋山翔吾は、打撃フォームを大幅に変えて、シーズン最多安打の日本記録を達成した。そして、今年。ソフトバンクの城所龍磨も打撃フォームの常識を打ち破り、大きく転機を迎えた。
2016/06/12
タイミングの取り方を変えた
城所の何が変わったのか。
それは一般的に言われている理論から離れるというものだった。
城所はいう。
「以前までの僕はバッティングフォームは無駄な動きをしないほうがいいと思っていたんです。でも、それは人によって体の使い方にタイプがあって、僕の場合だと、動かない固まったフォームにすると、むしろ体が動かなくなることがわかりました。僕はどんどん動いて良いといわれて、体を大きく使うことで、タイミングが取れるようになりました」
当然、仕掛け人はいる。
ソフトバンクの打撃コーチを務める藤井康雄氏だ。
一般的なセオリーとは異なるが、実は、城所の変化はある理論に基いている。
藤井コーチはいう。
「(城所は)体幹をしっかり動かそうということで、動いてボールを呼び込むイメージ。選手にはいろんなタイプがあって、止まって打つほうがいい選手もいれば、動いたほうがいい選手もいる。また、前で打つのか、後ろで打つのか、タイプがある。俺なんかも動いたほうがいいタイプなんだけど、城所は止まると身体が前に出てしまう。1回動いて、前から引っ張り込んで後ろを軸にして打つというのが合っているので、それを取り組んでいる」
【次ページ】T-岡田も同じ理論で才能開花