ソフトバンク城所、打撃開花の理由。「脱セオリー」の発想が転機に
昨年、埼玉西武ライオンズ・秋山翔吾は、打撃フォームを大幅に変えて、シーズン最多安打の日本記録を達成した。そして、今年。ソフトバンクの城所龍磨も打撃フォームの常識を打ち破り、大きく転機を迎えた。
2016/06/12
T-岡田も同じ理論で才能開花
実はこれ、藤井コーチがオリックスの編成部にいた頃に独学で勉強した理論の一部だ。2009年、2軍のコーチになった際には、岡田貴弘(T-岡田)とこの理論(4スタンス理論)に取り組み、翌年の本塁打のタイトルに貢献した。
「そう、岡田と城所は同じ。でも、今宮だとタイプは違う。彼なんかは泳いで打つくらいがちょうどいい。ずっと取り組んできてようやくつかんできた感じなんだよね」と藤井コーチは分析している。
好調をキープする城所は、取り組みの手応えをこう口にしている。
「身体は動かなきゃいけないのに止まっていたんで、タイミングが取れていなかった。タイミングが取れないとバットって出ないじゃないですか。身体を止めて固まっている中で、足だけでタイミングを取っていくのか、体全体でいくのかの違い。身体全体を動かして、軸をしっかり決めて体重移動をしていく。体がすごく動いている感じがします。それでバッティングが楽しくできてる」
もちろん、シーズンが終わるまで今の取り組みが決着を見るわけではない。
ただ、昨季の秋山がそうだったように、城所もまた野球界の常識やセオリーを離れることで、新たな世界に足を踏み入れているのは間違いない。