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レイエス、8月絶好調で本格化。愛称も定着、レアードとの共通点【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#232】

CSに向けて、チームの状態はいい。特に夏場一気に調子を上げてきたのが、清宮幸太郎とレイエスである。レイエスの前半戦の打撃内容に対して厳しい意見が多かったが、配球を読んで日本野球にしっかりと順応してきた。

2024/09/01

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産経新聞社



「レイたん」ファンが増加中!?

 レイエスというと個人的に忘れられない思い出がある。6月下旬だった。久しぶりに先輩ライターから電話を頂戴し、用件を含めてあれこれ世間話をしていたのだが、唐突に「あとはレイエスをいつ切るかですね」と言う。「え、マジですか‥」と返したっきり、絶句してしまった。先輩は東映フライヤーズ以来の熱心なF党なのだ。もちろん苦しい時期も知っていて、心の耐久性も持ち合わせている。SNSで簡単に「○○イラネ」「○○クビにしろ」みたいなことを発信してしまうタイプとは違う。僕自身がそうだが、東京時代からのファンはどちらかというとのんびりしてるというか、監督や選手を罵るようなのが苦手なイメージがある。
 
 だから先輩の「レイエスをいつ切るか」発言は意外だったのだ。結局、「いやぁ、だんだん慣れてくるんじゃないですかねぇ~」的にお茶を濁したはずだが、先輩は頑なだった。レイエスは(大リーグの実績は立派だが)日本のピッチャーの攻めにまったく合ってない。日本野球にアジャストできないタイプの典型である。今はまだ新庄がガマンして使っているが、打線がそこで切れてしまう。早くお払い箱にして、若い選手の出場機会を増やしたほうがチームのためだetc。
 
 新庄監督はレイエスの本格化を疑っていないようだった。確かに6月の時点でレイエスは大ブレーキだったが、2段ロケットの点火を知ってるかのように「この後、レイエスが出てきたら面白い」と言っていた。そしてまさにチーム状態をグッと上向かせる「2段めのロケット噴射」としてレイエス爆発(&清宮復調)は機能したのだった。
 
 まぁ、僕らはレアードの例を知っているから、外国人打者の評価は一筋縄じゃないと肝に銘じている。ていうか、思った通りにならないのが野球だ。思った通りにならないから面白い。レイエスは見事に日本野球に順応した。相手チームの投手の攻め方を記憶して、配球を読み始めたのだ。レアードと似ているのは日本生活をエンジョイしているところ。コミュニケーション能力が高く、ユーモアがある。
 
 僕は先輩に会ったら「レイエスが打ちだすなんてわかんないもんですねー」以外のことは言うつもりがない(SNSで叩いてた人にも同様だ)。だってわかんないもん。別に見識が高いところを見せたくて野球ファンやってるんじゃないから。だけど、先輩の想像のはるか上を行くレイエスの活躍は胸のすくようだ。何か不思議な選手でしょう。底知れないポテンシャルと愛嬌を抱えている。これからもっと「レイたん」ファンが増えると思う。

追記 レイエス選手は翌31日、連続試合安打を「22」に伸ばし、球団外国人選手のストリーク記録を更新しました。おめでとう!

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