知られざるドミニカ共和国の野球事情。日本人選手も参加するウインターリーグの楽しみ方とは?
日本やアメリカのプロ野球が終わる頃にスタートするのが、ドミニカ共和国のウインターリーグである。日本では中日が武者修行の場として積極的に選手を派遣している。またシーズン佳境になるとメジャーリーガーも参戦するなど、見どころが多い。現地から、その魅力について解説してもらった。
2014/12/02
Yasumitsu Takahashi
シーズン佳境を迎える頃にメジャーリーガーも参戦
リーグの流れは次の通り。まず各チーム10試合の総当たりによる50試合制のレギュラーシーズンが行われ、上位4チームがラウンド・ロビンと呼ばれる次ステージに進出する。 ここでは各チーム6試合総当たりの18試合制のリーグ戦を行い、上位2チームがファイナルへと進む権利を得る。ファイナルは5戦先取の9試合制で行われ、勝者となったチャンピオンチームはドミニカ共和国の代表として、ベネズエラ、メキシコ、プエルトリコ、キューバの各リーグのチャンピオンが参加するカリビアンシリーズへの出場権を獲得する。
例年盛り上がって来るのは、ラウンド・ロビンが始まる12月下旬あたりから。そしてシーズンも佳境に迫ると、自主トレやスプリングトレーニング前の調整を兼ねた現役のメジャーリーガーも多く参戦してくる。
2014-2015シーズンは、10月16日にすでに開幕している。11月末の時点で、各チームともレギュラーシーズン残り16、17試合というところまで消化している。注目すべきは昨シーズンのファイナルを戦ったリセイとエスコヒードのサントドミンゴ勢がそれぞれ5位、6位と低迷していることだ。そして、エストレージャスとアギラスが首位を争っている。ラウンド・ロビン進出の座をかけた4位争いも熾烈になってきそうだ。
リーグの質はどうだろうか?
バント、走塁や牽制などの日本人選手が得意とする細かいプレーに関しては日本人ファンを満足させるレベルにはないが、野性味あふれる本能的なプレーが随所に見られるのはたまらない。
メジャーリーガーの原石ともいうべき驚異的な身体能力を活かした未完成な荒削さを目映いばかりに見せつける若者のプレーは見ていて非常に気持ちがいい。また、サルサやレゲトンといったラテンミュージックが演出を彩るスタジアムの雰囲気も、日本やアメリカとも違う開放感がある。