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広島・中村恭平への指導法から見る、「育成のカープ」の面目躍如

広島東洋カープの中村恭平が初の「シーズン2勝目」に挑む。昨年、一軍での登板が1試合に終わった左腕はファームで明確な方向性の元で息を吹き返した。

2016/06/19

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2015年はわずかに1試合。抜本的な見直し

 ここ2シーズン、勝ち星はなかった。「未完の大器」と呼ばれた男も27歳を迎えた。150キロ超の速球を武器にスケールの大きなピッチングを見せ、2013年にはプロ初勝利も飾った。しかし、2014年は一軍登板なし、2015年はわずか1試合しか一軍の出番は与えられなかった。

 いつしか、あのスケール感は陰を潜めていた。そんな中村恭平にファームの首脳陣は明確な方向性を示した。

 ・強い球を投げていこう
 ・インコースの球を効果的に使おう

 あくまで、中村の圧倒的なストロングポイントを生かしていく考えである。佐々岡真司二軍投手コーチは証言する。

「いかに腕を振るかです。小さくなってはダメ。そのためにはフォームの面もありますが、メンタルの要素もあると思います」

 大胆な提言もあった。

「腕を振ることです。そのためには、投球だけでなく、守備での送球から腕を振っていこうと言いました。極端な話ですが、それで悪送球になっても仕方ないくらいの思いでした」

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