ベテラン井口も実感する、千葉ロッテの変化――ベンチから響く声が、逆転の雰囲気を作り出す
シーズンは交流戦を終え、これから新たなる局面に向かう。ロッテのベンチの空気がこのまま変わることなく進み続ければ、きっとそれは良い結果をもたらしているはずだ。首位を走るソフトバンクを追いかける千葉ロッテ。ベテランの井口資仁はチームの雰囲気が変わりつつあると実感している。
2016/06/24
ベテランが感じる手ごたえ
ペナントレースからの勢いをそのままにソフトバンクが2年連続の最高勝率で交流戦を終えた。
今季の戦いぶりで印象に残ったのは、セリーグの首位・広島とソフトバンクを追いかけるロッテの奮闘ぶりだ。特にロッテは、最終日の巨人戦に敗れるまで7連勝を挙げるなど、勝負強さを発揮していた。
ロッテは交流戦前のペナントの節ではソフトバンクとの対戦で3連敗を喫したが、伊東勤監督は「交流戦の間は、パリーグのことは忘れて戦います。一戦一戦、先を観ずに大事に戦っていく」と断言、そしてその言葉通りの結果を残した。
そのロッテの好調の要因の一つに挙げられるのがベンチの雰囲気である。
若手、中堅、ベテランがわけ隔てなく声を出し、どんな展開でも明るい雰囲気を醸し出している。
開幕の頃から続く昨年までにはない空気だ。
「伊東監督や立花コーチがよく言うんですけど、凡打してもベンチに帰ってきて、声を出せと。そういうのが浸透してきていて、試合に出ている選手も出ていない選手もよく声が出ている。そういう意味ですごく明るくなっていると思います」
そう語ったのは、ベテランの井口資仁選手である。
井口はスタメンの試合数が減ったとはいえ、経験豊富な頼れるチームのジョーカー的存在だ。外国人の不調、あるいはチームのレギュラーの不調の代役、ここ一番での代打と井口は今季も活躍している。
しかし、その井口は、昨季から居座ることが多くなったベンチの雰囲気にただならぬ違和感を覚えていた。意識改革が必要と井口は昨オフ、こんな話をしている。
「今のチームは控え選手がベンチの後ろで休んでいたり、ベテランが端っこにいるようなところがある。それを変えないといけないと思ってやってきました。とにかく、試合中は僕がベンチの真ん中に座って声を出すように心がけました。自分が見本を示さなくてはいけないと」