今年もパ強しだった交流戦。各チーム、勝敗を分けたポイント【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は今年の交流戦についてだ。
2016/06/23
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今年はパの勝利数が「60」、セは「47」
今年も3週間、6カードにわたる交流戦が終了した。今季もパリーグはセリーグに勝ち越した。
交流戦の順位表をまとめた。
ピタゴラス勝敗は、得失点に基づいて割り出した勝敗となる。
勝率5割以上をマークしたのはパは5球団、セは2球団のみだ。パは60勝47敗1分と13の勝ち越しとなった。
しかし昨年はパの61勝44敗3分と17の勝ち越しだった点からして、少しセが押し戻したともいえる。
得失点に基づいて勝敗を算出するピタゴラス勝敗で見れば、63勝45敗、18の勝ち越し。セは得失点差以上に善戦したとも分析できる。
ピタゴラス勝敗と実際の各チームの成績を照らし合わせてみる。
広島は得失点差はわずか4にも関わらず、11勝6敗と大きく勝ち越している。鈴木誠也の3試合連続決勝本塁打に象徴されるように、接戦を制して勝利につなげた。
巨人、阪神はもっと負けこんでいてもおかしくなかった。
週単位で交流戦の成績を追いかけよう。
3週間のうち、1週目(5/31-6/6)と3週目(6/14-6/20)は、パリーグが勝ち越しているものの勝敗差は大きくない。両リーグの勝敗は拮抗していた。
しかし2週目(6/7-6/12)でパは一気に10もの勝ち越し。この2週目の勝敗で、交流戦の雌雄は決したと言っていい。
ちなみに2週目の2カードは、いずれもパのホームゲームだった。ビジターの試合で、セはパに全く歯が立たなかった。
特に巨人と阪神は1勝5敗、ここでの負け越しが交流戦の成績に響いた。