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抑えの切り札・増井と捕手・近藤が機能せず。日本ハム、残りシーズン2つの不安【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#32】

交流戦を5位で乗り切り、ソフトバンク追撃態勢をとるファイターズだが、2つの懸念材料がある。

2016/06/24

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捕手・近藤を再度試すも……

 で、もう一人ショックだったのが近藤健介だ。ご存知の通り、去年、打率.326でベストテン3位の好成績を残した好打者。捕手登録だが、去年はほぼDH出場だった。ファイターズが抱える大問題は「コンスケにどこを守らせる?」なのだ。
 
 事情は森友哉(西武)に似ている。
 
「打てる捕手」は魅力があって、僕もあわよくば近藤が正捕手に定着しないかと夢想してきた。が、横浜高校時代、強肩で鳴らした近藤がどうやら送球のイップスを抱えてしまったようなのだ。バント処理の1塁送球、盗塁時の2塁送球がどちらも安定しない。極端なケースではバントが自動的に2塁打になってしまう。何がきっかけなのかわからないが、プロでは意外とあることなのだ。
 
 僕が取材した例を挙げると名遊撃手・田中幸雄が送球のイップスを抱えていた。一度スタンドに飛び込む大暴投を演じ、怖くなったそうだ。といっても、いつも必ず暴投してしまうわけじゃない。田中幸雄は何とイップスを抱え込んだ後、ゴールデングラブ賞の常連になった(!)。
 
 近藤の打撃を生かすべく、栗山英樹監督は(キャンプでも練習しなかった)サードやショートで起用したことがある。これはベテラン内野手のプライドを傷つけ、退団のきっかけになったといわれているが、少なくともサードの守備は悪くなかった。
 
 が、サードには大砲レアードがいる。じゃ、DHかといえば今年は大谷が抜群だ。押し出されるようにして競争の激しい外野にコンバートされた。外野は使ってみたい選手が目白押しだが、他に空いてるとこがない。
 
 で、たぶん一巡りして栗山監督は「捕手近藤」のプランを再度試す気になったのだ。言っておくが、今季はキャンプで捕手の練習をしていない。2軍であらためて一から調整させて、交流戦の中日戦2回戦でスタメン起用した。僕らファンはドキドキだ。頼むから大過なく過ぎてくれ。
 
 で、1対1で迎えた6回裏、走者・荒木雅博が2盗したのだ。近藤の送球は2バウンドして、中島卓也のグラブを弾いた。「うぅ、2バウンド……」と僕は泣きそうになる。結局、これを足がかりに2点を奪われ、チームは負けてしまう。
 
 もしかするとだ。もしかするとこれが近藤健介の最後のキャッチャー姿になるかもしれない。栗山さんはクイックの速い吉川光夫だから何とかなると計算したのだろう。何ともならなかった。2軍に応援に行かなきゃなぁ。本当に胸のつまる光景だった。
 
栗山采配ズバリも「神ってない大型連勝」――カープ越え12連勝で2位の日ハムは強いのか弱いのか?【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#33】
 

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