好対照のセパ チーム盗塁数の半数以上を一人で稼いだ梶谷【2014年タイトルホルダー 最多盗塁編】
セリーグの盗塁王に輝いたDeNAの梶谷隆幸は、盗塁成功率8割以上をマークし、チームの盗塁数の半数以上を一人で稼いだ。パリーグは日本ハムの西川遥輝が受賞した。セパ比べてもチーム盗塁数に大きな差があり、野球の違いが如実に表れている。
2014/12/03
リーグ最多の企図数ながら、8割以上の成功率をおさめた梶谷
セリーグの盗塁王はDeNAの梶谷隆幸が39個で初タイトルを獲得した。
今シーズンのセリーグは盗塁に関しては「安全策」が目立ち、チーム盗塁数最多は巨人の102個で、三桁にのせたのも巨人だけだった。DeNAのチーム盗塁数はリーグ3位の76だったので、半数以上を梶谷が走ったことになる。
3・4月に9盗塁すると、以後、トップをキープした。6月は月間打率.151と打撃不信もあって2個しか走れず、大島洋平に迫られたが、7月以降は打撃も復調し、月間5個以上走り、最終的に2位に9個差をつけた。
もともとツボにはまれば一発長打もある選手だったが、今シーズンは3番で79試合に出場するなど中軸を打つ機会が多かった。長打率は.438、16本塁打、72打点と得点源として機能したが、その分打撃の確実性が下がり打率は.263だった。それでも盗塁王を獲得できたのは四球を70選んだ選球眼の良さ。出塁率を.355とし盗塁機会を作った。
盗塁は足の速さだけでなく、スタートを切る「勇気」が必要だといわれる。企図数が多ければ、自ずと盗塁数は増えてくるわけだが、梶谷は企図数47でリーグ最多だった。
企図数に関してはチームの方針も影響してくる。DeNAの盗塁数は前記したとおり76、成功率は.760で巨人の.773に次いで2位、盗塁死は24で、ヤクルトの22に次いで少なく、盗塁に関しては確実性を重視していた。
梶谷は盗塁成功率が.830と高かったが、チームの方針でギャンブルスタートが少なかったことも影響しているだろう。盗塁数2位、3位につけた大島が.700、丸佳浩が.703と過去2年のタイトルホルダーが、積極的に走ってきたのとは対照的だった。
チームの方針次第ではあるが、失敗を恐れず企図数をさらに増やしていけば、来シーズン以降、盗塁数が飛躍的に伸びる可能性を秘めているといえるだろう。