【6月27日~30日セ・パ第21節展望】セ貯金を独占、広島はどこまで連勝を伸ばせるか
2016年6月27日~6月30日までの第21節、勝負のポイントはどこにあるか。
2016/06/28
<セリーグ>
2位・巨人(2勝1分)-4位・中日(6勝1分) 東京ドーム
連敗を2で止めた巨人は本拠地に戻って出直す。しかし、今季、東京ドームで中日に一つも勝てておらず、いろんなものを払しょくしなければいけない戦いになる。初戦の先発は田口が上がる。菅野に続く、2番目に信頼度の高い先発投手だ。2連敗中とやや不安を残すが防御率は2.85と安定した数字を残している。中日戦に1試合投げており、7回無失点だった。相手投手を考えれば、1点もやれない厳しい投げ合いになるだろう。2、3戦目は高木勇、大竹が予想される。高木勇は今季、中日戦未勝利。大竹は前回、3回途中で早々に降板しているだけに改善したいところだ。打線は、キャプテンシーが出てきた坂本がチームを引っ張る。26日の試合でギャレットが3打席連続本塁打を放つなど調子を上げてきたことはチームにとって大きい。チャンスメイク役の橋本が機能し始めてきたこともプラスになるだろう。分が悪い中日との対戦だが、流れを変えたい。
一方の中日は後半戦のスタートで躓いた。昨季二ケタの若松で初戦を落とし、波に乗り切れぬまま3連敗を喫した。ここで先発するのがエースの大野だ。復帰してから好投を続けており、この窮地を救うピッチングを期待したい。前節の登板が予想された中で満を持しているわけだから、結果で応えなければならない。バルデス、ケガからの復帰が予想される小熊へとうまくつなぎたいはずだ。打線は、26日の試合で9回に3点を奪って追いつくなど粘り強さが出てきた。クリーンアップを固定しつつ、1、2番のやりくりに苦労の色が見える。ビシエドのバットにも陰りが出てきているのは心配されるが、平田、ナニータら前後を打つ選手に期待したい。代打として期待される森野が1軍に合流。ここ一番での打撃に大きな期待が掛かる。投手陣が踏ん張り、チャンスを確実にものにしていく中日らしい戦いに持ち込みたい。
1位・広島(7勝)―6位・ヤクルト(4勝) 三次、マツダスタジアム
9連勝で勢いが止まらない広島が3連勝のヤクルトを迎え撃つ。広島は今季、ヤクルトに対しては分がいいが、勢いが出てきた昨季王者だけに、ここはしっかりと叩いておきたい。初戦の先発はハーラートップの野村が上がる。これまでは、開幕投手のジョンソンと野村を同じ巡りで先発させてきたが、ここで離した。それほど、野村に対する信頼度があがってきていることの裏返しだろう。ゲームをしっかり作ることができ、ピンチで粘り強さがある。ボールを低めにコントロールできているのが好調の要因だ。2戦目以降は黒田、中村恭平とベテラン、若手が控えている。3連勝を目指す陣容だ。打線も相変わらず好調だ。スタメンの選手もいいが、控え選手からでもゲームを変えられるのが強みだ。軸になるのは田中、菊池、丸だが、彼らの調子が悪いときでも、日替わりでヒーローが出てくる。この連勝はいつまで続くのか見ものだ。
ヤクルトは3連勝で勢いに乗っている。持ち前の打線は絶好調で、いかに投手陣が粘っていくかが勝負の分かれ目だ。初戦の先発は、前回登板で西武打線を牛耳った山中が上がる。自信をつかんだようで、今日の登板ではさらなる上積みといきたいところ。緩急をうまく使って、広島打線を混乱に陥れたい。ルーキーの原樹理がこの節で復帰するとの情報もある。不調で降格したが、ファームではいきなり結果を残しており、再スタートを切りたいはずだ。中継ぎで活躍してきた村中が今季初先発の予定。こちらも注目の登板となる。打線は、いまだ山田の勢いが止まらない。この3連戦でも2本塁打と打ちまくってきた。3番の川端も好調で、1番の大引、2番の坂口でチャンスメイクさえできれば、大量点が見込める。首位広島との戦いで、ヤクルトが打線で上回って勝利を収めることができればペナントの流れも少しは変わるかもしれない。
5位・阪神(7勝1分)―3位・DeNA(3勝1分)
最下位が見えてきた阪神は一つも負けられない。DeNAを引きずり下ろして、上位進出へと向かいたい。初戦の先発はメッセンジャーが上がる。勝ち星はそう多くないが、この4試合は7イニング以上を投げており、安定感がある。しっかりとゲームを作って打撃陣の反撃を待ちたい。先発投手陣が足りていない状況で中継ぎ陣も心もとない。投手陣の救世主が必要かもしれない。打線は日米通算2000本安打を達成した福留が好調で、中堅手のレギュラーを獲得しつつある中谷もバットが振れている。プロ初本塁打を放つなど、虎党待望の和製大砲だ。とはいえ、1番の鳥谷が絶不調で打線の勢いを止めてしまっており、そろそろ指揮官の決断が必要ではないだろうか。
前節を勝ち越したDeNAだが3戦目の負け方が悪く、やや心配される。スタートで躓くようだと連敗もあり得る。そんな中で初戦の先発はエース・山口が務める。復帰してからは日曜日の登板に専念してきたが、このタイミングでカード頭を任されたとことは、信頼の証だろう。それでこそエースだというような、チームを引っ張るピッチングを見せてほしいものだ。ローテ再編の中で、ラミレス監督がどういう選択をするのか注目したい。打線は桑原、倉本の調子が良く、エリアンが機能し始めてきた。筒香、宮崎も安定しており、あとは梶谷の復調を待つのみだ。打方は、それほど心配ではないだろう。いかに投手がゲームを作るか。いずれにせよ、初戦の山口がカギを握る。