藤浪晋太郎に161球課した阪神・金本采配が米メディアで話題。「メジャーリーグなら即座に『クレイジー』」
8日の広島戦(甲子園)で阪神のエース・藤浪晋太郎投手が161球を投げた。金本監督の采配はアメリカでも取り上げられた。
2016/07/10
この采配がチームにプラスかマイナスか?
「日本の人気球団のタイガースで若いエース級の先発投手が大量失点しているにも関わらず、161球も投げた。この決断を下した監督は現役時代にカル・リプケン(元メジャーリーガー)を抜いて連続試合全イニング出場(1492試合)の世界記録を持つ金本。投手に対し、自らの現役時のような強い気持ちを注入する意味で断行した彼の采配は是が非か。これはメジャーリーグであれば、即座に『クレイジー』とみなされるだろう。日本では昔から練習でも試合でも、多くの球数を投げることが比較的に許される『ナゲコミ(投げ込み)』という文化があったが、近年はそれが崩壊しつつあるようだ。事実、日本ではこの采配に多くの批判が集まっている」
同局の指摘は一理ある。
近年の日本プロ野球も「先発投手は100球交代」が通例となっているメジャーリーグのようにシステマチックな形になりつつある。加えてファンの目も肥え、かなりシビアになった。
だからこそ目の前の試合に勝つことを常に求めているわけで白星を奪える可能性があるならば、それを放棄してまで選手の精神教育に重きを置いて欲しいとも思っていない。この金本采配に多方面からアレルギー反応が出たのは、そういう今の時代背景があることを考えれば当然だ。
さて、当の藤浪や他の主力選手たち、そしてコーチ陣を含めたチーム関係者たちはどう感じたのか。もちろん、彼らが監督の采配について赤裸々に本音を口にすることはまずあるまい。ただし今後のチームの戦いぶりからプラス、マイナスのどちらに働いたのかは方向性が見えてくるはずだ。
ちなみに翌9日、最下位にあえぐチームは甲子園で首位・広島に1―7で呆気なく大敗。これで借金は今季最大の11にまで膨らんでしまった。
金本監督の目指す「超変革」は現在のところ、大きく難航している。