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【データで選出9・10月月間MVP】ソフトバンク・栗原が攻守で圧倒的な貢献度。セ・リーグ優勝の巨人から3名の投手がランクイン【コラム】

2024/10/20

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産経新聞社、DELTA



日本ハム・伊藤が圧倒的な貢献度。セ優勝・巨人からは3名がランクイン

データでみる9・10月月間MVP投手
 
 投手のWARは投球の質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、「ゴロかフライかライナーといった打たれた打球の種別」、量は「どれだけ多くの機会をこなしたか」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出。それが何勝分に値するのか換算したものが投手のWARとなる。
 
 投手部門でパ・リーグは伊藤大海(日本ハム)、セ・リーグは吉村貢司郎(ヤクルト)がそれぞれ1.35、1.08とトップのWARを記録した。
 

 
 両リーグでトップの貢献度を記録した伊藤は奪三振割合(奪三振/打者)が26.6%、与四球割合(与四球/打者)は4.4%。どちらもリーグ平均(奪三振割合が20%ほど、与四球割合が7%ほど)よりも優れていながら、投球回では両リーグトップとなる41イニングを記録した。質と量、どちらの面でも優秀な成績を残したことによる納得のトップと言えるだろう。
 
 吉村は9・10月はリーグトップとなる34.2イニングに登板。奪三振割合こそ15.0%と平凡な数値だが、与四球割合はリーグ平均よりも遥かに優秀な2.9%を記録した。与四球による出塁を抑えることで失点を抑えていたようだ。また、本塁打の出やすい神宮球場での登板が2試合ありながら被本塁打は0本。打者有利な環境で本塁打を浴びなかったことも高評価につながった。シーズン最終登板となった10月3日の広島戦では、勝利こそ逃したものの8回122球1失点の熱投。充実した形で2年目のシーズンを終えた。
 
 また、9月28日にリーグ優勝を決めた巨人からは3名(菅野智之、戸郷翔征、井上温大)がランクイン。9月以降の巨人は1試合あたりの平均失点はわずか2.4点。この失点の少なさには彼ら3人の奮闘が大きく関係しているのは間違いないだろう。中でも注目したいのは今季ブレイクを果たした井上。9・10月は4試合の先発でわずか1勝に終わったものの、その投球内容は圧巻だ。9・10月の奪三振割合は30.5%。これは20イニング以上投げたセ・リーグの投手の中でトップの成績だ。レギュラーシーズン最終登板となった9月27日の中日戦では5回9奪三振無失点の好投。圧倒的な奪三振能力を示した。

 
DELTA@Deltagraphshttp://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

 

 
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【了】

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