カープ新外国人・デラバー、波乱万丈の野球人生。一度は解雇、高校の補助教員からオールスター投手へ
広島がスティーブ・デラバーの獲得を発表した。13年に米オールスターにも出場したデラバーは、一時は高校の補助教員を務めたこともあるほどの苦労人。数々の逆境を乗り越えてきた右腕は日本でどんな活躍を見せるのか。
2016/07/02
大怪我から復活、2013年にはオールスターに出場
25日、広島東洋カープは新助っ人としてスティーブ・デラバー投手(32歳・右投)と契約合意に達したことを発表した。13年にMLBでオールスターに出場するなど実績もあるが、過去には高校の補助教員を務めたこともある苦労人のデラバー。1991年以来のリーグ優勝を目指す広島にまた新たな戦力が加わった。
デラバーはこれまで、まるで映画のような人生を歩んできた。
2003年にドラフト29巡目でパドレスに指名されプロ入りもA+までしか上がれず5年目に解雇。その後も独立リーグで投げ続けていたが、試合中に肘を骨折。大手術を受けることとなり、選手生命は断たれたも同然だった。しかしデラバーは諦めることなく、手術後、妻の勤め先の高校でクラブ活動の補助教員を務めながら、トレーニングを再開。練習を続けているうちに手術前を上回るボールが投げられるまでに回復した。
2011年にマリナーズの入団テストに合格し、再度プロの舞台に舞い戻ると、その年わずか1年で1Aからメジャーまで駆け上がり9月にはメジャー初勝利も記録。12年途中に移籍したブルージェイズではさらに投球に磨きがかかり、13年にはリーグ最後の1人を決めるファイナルボートでオールスターにも選ばれている。
デラバーへの投票を呼び掛ける応援ムービーには当時チームメイトだった川崎宗則が参加し、日本でも話題になった。
13年の後半以降はピリッとしない投球が続いており、今年の3月末にブルージェイズからリリース。その後レッズと契約し、7試合に登板している。
MLB通算では190試合に登板し、15勝9敗2セーブ、194.2回を投げ242個の三振を奪っている。