まさかの指名に騒然…ドラフト会議で「強行指名」された逸材(1)入団拒否→空白の1日へ
2024/10/26
産経新聞社
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「2024年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が、10月24日に開催。かつてはドラフト会議を巡り、リスクを承知の上で強行指名に踏み切る事例もこれまでに発生した。そこで今回は、ドラフト会議で強行指名された選手を紹介する。
江川卓
出身:福島県
投打:右投右打
身長/体重:183cm/90kg
生年月日:1955年5月25日
ドラフト:1978年ドラフト1位
作新学院(栃木県)、法政大学、読売ジャイアンツの全てでエースを担った江川卓。しかし、ドラフト会議で江川との交渉権を獲得したのは、ジャイアンツではなく阪神タイガースだった。
作新学院時代は1年夏に完全試合を達成し、法政大学では通算47勝。紛れもない「怪物」だった江川だが、1977年のドラフト会議でクラウンライターライオンズ(現:埼玉西武ライオンズ)の指名を拒否した。その後、アメリカの大学に留学し、迎えた1978年の11月21日に事件が起こる。
以前の野球協約において、ドラフト会議で交渉権を獲得した球団は、翌年のドラフト会議の前々日まで交渉が可能だった。また、1979年ドラフトから規約の改正が決まっていたものの、1978年11月21日のみ、江川は「ドラフト外選手」という扱いだったのだ。その盲点をついたジャイアンツは、「空白の一日」に江川との契約を発表。
この経緯にジャイアンツ以外の11球団が猛反発。結果、江川との契約は無効になったため、ジャイアンツはドラフト会議に参加せず、抽選によってタイガーズが交渉権を獲得した。しかし、タイガースへの入団が決まった翌年、コミッショナーの要望によって江川はジャイアンツの小林繁とトレード。開幕から2か月の出場停止など、怪物のスタートはまさに波瀾万丈だった。
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