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「相川」を失って「成瀬と大引」を得たヤクルト。プロテクトで誰を守り、誰を失う?

FA選手の去就が話題となるストーブリーグ。なかでも注目を集めるのが、FAによって相川亮二が巨人に移籍し、成瀬善久(前ロッテ)と大引啓次(前日本ハム)を獲得したヤクルトだ。仮に人的補償となった場合、誰を獲得し、誰がチームから去ってしまうのか。編集部で独自にヤクルトのプロテクトリストを作成し、その去就を予想してみた。

2014/12/06

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ロッテは先発、日本ハムはリリーフ陣に興味を示す?

■外野手(3名)
(プロテクト入りが確実視される選手)
雄平、上田剛史
(ボーダーライン)
飯原誉士

 最後に外野手を見ていこう。雄平、上田のプロテクト入りはほぼ間違いなし。バレンティン、ミレッジ両外国人の来季の残留が確定したこともあり、松元ユウイチや松井淳らパワーのある左打者はプロテクト漏れしているのではないだろうか。

 飯原は両外国人残留の関係でボーダーラインとしたが、打撃を計算できる右の外野手が手薄なチーム事情もあって、捕手の田中と同じく、確定に限りなく近いボーダーラインという判断。右の日本人外野手は多くのチームでコマ不足となっており、手元に残しておきたいというのが球団の本音だろう。
 以上が、編集部が考えるヤクルトのプロテクト予想である。正式には球団が作成するプロテクトリストの提出を待たなければならないが、このリストから漏れた選手がロッテおよび日本ハムへと移籍する可能性が高い。

 では、ロッテに〝取られてしまう〟選手は誰か。編集部作成のプロテクトリストから漏れた選手の中では、サウスポーの赤川克紀が候補になってくるのではないか。ヤクルトにFA移籍を果たした成瀬と同じ左腕ということもあり、可能性は捨てきれない。
 2011年のシーズン後半から2013年の序盤にかけて、先発ローテーションの一角に名をつらねるなど実績は十分。以降は不調にあえいでいるが、環境を変えることで活躍の芽が出てくるかもしれない。赤川本人やチーム、ファンにとってはつらい出来事かもしれないが、仮にチームを去ることになったとしても、ポジティブにとらえたいところだ。

 一方の日本ハムは、能力の高い若手投手が揃っているチーム。ただし、リリーフ投手の層はそこまで厚い印象を受けないため、10シーズンで326試合に中継ぎ登板した松岡健一、あるいはプロテクト漏れした場合の山本哲哉などが候補になってくるだろう。加えて、木谷良平や古野正人といった、ある程度の先発経験を持つ20代の投手が日本ハム側にどう評価されているのかも気になるところだ。

選手獲得の優先順位は投手、右の外野手、捕手

 逆に、相川の人的補償として巨人から選手を獲得できる立場でもあるヤクルト。チームの立て直しという意味では、やはり投手の優先順位が高いだろう。続いて、手薄な右の外野手、捕手といったところだろうか。ただし、当然のことだが、どの選手がプロテクト漏れしているかで状況は大きく変わってくる。

 投手を獲得する場合、理想はスターターだろう。しかし、リリーフもコマが揃っているに越したことはなく、ある程度の計算が立つ投手が獲得できる状況の場合、中継ぎ投手に矛先をシフトする可能性は十分にある。福田聡志や江柄子裕樹がプロテクトから漏れていれば、即決となりそうだ。

 打てる右打者が手薄な外野手でいえば、矢野謙次あたりも候補にあがってくる。
 ミレッジ、バレティンの両外国人に何かアクシデントがあった場合、打てる外野手の〝保険〟は用意しておきたい。ただし、来季の矢野は35歳を迎えることもあり、できれば若く、伸びしろのある選手をとりたいのが本音か。ここ数年のヤクルトは即戦力重視で、高卒の選手をあまり獲得していないという事情もある。

 捕手の獲得は、投手や右の外野手の状況次第になるだろう。投手や右の外野手に目ぼしい選手がいなければ、實松一成や加藤健が候補となる可能性が高い。
 
 誰を獲得し、誰を失うのか。近年にないFA人事で注目を集めるヤクルトの動向から目が離せない。

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