【7月5日千葉ロッテ対埼玉西武戦、BBC独自採点】珠玉の投手戦を展開した2人に高評価。涌井「球界のエースと呼ぶべきピッチング」
7月5日、千葉ロッテ対埼玉西武戦は2-1で千葉ロッテが勝利を収めた。現地取材に基づき、この試合をベースボールチャンネル独自基準にて採点を行ってみたい。
2016/07/06
息の詰まる投手戦
いつまでも見ていたい試合だった。
ロッテ先発の涌井、西武先発の岸がエースの名にふさわしいピッチングを見せ、息の詰まる投手戦を展開した。ホームランが多数出る打撃戦も野球の醍醐味の一つだが、こうした投手戦も野球の魅力を伝えるものだ。この日の投手戦を見届けたファンの中には観戦チケットの代金が安く思えた人もいるに違いない。
そんな二人が投手戦を演じる中、試合は2回裏にロッテがまず先制した。
5番・ナバーロが四球で出塁すると、鈴木大地が犠打を決めて、一死2塁。清田はサードゴロに倒れるも、二走・ナバーロが好判断で三塁を陥れた。8番・田村が四球の後に、9番・加藤が中前にしぶとく落として先制した。
一方の西武は4回、先頭の1番・金子侑司が左翼前安打で出塁、すぐさま盗塁を成功させると、栗山も続いて、無死1、3塁。秋山の併殺打の間に同点にした。ロッテがナバーロの好判断の走塁なら、西武は金子の足が1点をもぎ取った。
それ以降は二人の粘投が続く。
8回裏に岸が一死1、3塁のピンチを招くも、清田を得意のカーブで打ち取って併殺打。絶体絶命のピンチだったが、冷静に打ち取ったのは見事だった。
一方の涌井は直後の9回表、1死から金子の内野安打と栗山の左翼前安打でピンチを招くも、秋山をインコースのカットボールで空振り三振、4番・中村をアウトローの真っすぐで見逃し三振に斬り、役目を果たした。
涌井は9回を投げて7安打1失点。
岸は8回を投げて6安打1失点。
決着は延長10回裏、ロッテは2番・先頭の井口が四球で歩くと、3番・角中の遊撃ゴロの間に1死・二塁。デスパイネを敬遠の後、5番・ナバーロが右中間を破る適時打を放ちサヨナラ勝ちを収めた。
試合後、ロッテ伊東監督は「すばらしい投手戦でしびれるような試合だった。ワク(涌井)が力投していたんで勝ち星を付けてあげたかったけど、9回のピンチを抑えて、チームが一つになった。こういうゲームを取っていくことで、チーム力はついていく」と接戦の勝利を噛みしめていた。涌井は「粘りのピッチングができた。チームが勝てたので良かった」と広報を通してコメントを残した。一方、敗れた西武・岸は「先に点をやってしまったので、追いついてもらってからは粘るしかないなと思って投げていました。(次、投げ合うときは)勝てるようなピッチングをしたいと思います」と話していた。
採点は全体的に低い評価になったが、二人の投手に高評価を付けた。投手戦の好ゲーム。こういう試合には4.5の評価は相応しくないと除外した。
採点基準
8 シーズンに1試合あるかないかの活躍
7.5 突き抜けた活躍
7 勝利貢献度上
6.5 勝利貢献度中
6 勝利貢献度小
5.5 活躍した選手
5 可もなく不可もない
4.5 足を引っ張った
4 敗戦につながるミス
3.5 退場など試合を壊す
さらに現地取材の内容を加味します。