「阪神クローザー・藤浪晋太郎の抜擢」こそ後半戦巻き返しの最善策。週1度の先発起用より有効【小宮山悟の眼】
阪神タイガースが前半戦最下位の成績で終えた。もし後半戦、上位へ巻き返しを図るならば、チームの中で一番いい投手をクローザーに指名させたい。
2016/07/12
私がもし阪神の投手コーチならば
阪神タイガースが、オールスターゲームまでの前半戦を最下位で終える可能性が出てきた。
現在のセリーグは、広島が首位を独走する1強状態。現時点で自力優勝の可能性が消えているとはいえ、阪神にはクライマックスシリーズ進出の可能性が十分に残っている。まだ、シーズンをあきらめて悲観するような時期ではない。
ただ、個人的には、開幕時に1位広島、2位阪神と順位予想しただけに、その不調ぶりが気にかかることも確かだ。
打撃陣の不振、若手の経験不足……不調の原因はいくつも考えられるが、絶対的守護神の不在もその一つに挙げられるだろう。
阪神では今季、開幕から新外国人投手のマテオがクローザーとして起用された。ところが、5月に負傷離脱。藤川球児が9回のマウンドに上がるようになり、交流戦の途中から、同じく新外国人投手のドリスがその座に就いた。そして、マテオが復帰した現在も、ドリスがクローザーを務めている。
ただ、この体制のままシーズン終盤まで戦い抜けるかは不確定だ。ドリスの投球に、そこまでの信頼感はない。再びマテオと交代する可能性もあるだろう。いずれにしても、昨年まで呉昇桓という絶対的な守護神が在籍していただけに、今季のブルペン陣の不安定さは際立って映る。
あくまでも仮定の話だが、もし私が阪神の投手コーチで、ピッチングスタッフを編成する立場にあるなら、藤浪晋太郎を抑え役に抜擢したい。
その理由は至ってシンプルだ。
チームの中で一番いい投手がクローザーを務めるべき――。
これが私の持論だからだ。
まず藤浪本人に「本気で優勝したいか?」と質問する。「どうしても優勝したい」という答えが返ってきたら、「そのためには、君がクローザーをやるしかない」と説得していくだろう。「今季限り」の条件を付ければ、きっと、その必要性を理解してくれるのではないか。