「工藤さんに知ってもらえた」球宴初選出オリックス塚原の魅力【どら増田のオリ熱コラム #79】
プロ野球は13日に前半戦の日程を終了し、15日から2日間「マツダオールスターゲーム2016」が開催される。パリーグ最下位で前半戦を終えたオリックスからは糸井嘉男がファン投票外野手部門で選出。監督推薦で今季はセットアッパーとして、3勝1敗11ホールド、防御率2.19(7月13日現在)の好成績を収めている高卒6年目の塚原頌平が選ばれた。
2016/07/15
昨年の配置転換が転機に
「うわっ!めっちゃいるじゃん!」
オールスターの監督推薦選出会見の会場に姿を現した塚原はたくさん集まった報道陣やTVカメラを見ると照れ笑いを浮かべながら、開口一番そう叫んだ。
オリックスの元気印と言ってもいいくらい塚原は常に明るい。この会見でも「あのメンバーの中にいること自体が夢のよう」と前置きし「大谷(翔平)クンとベンチで話しているところをカメラで抜いてほしい」「がんばって友達をつくります」などと報道陣の笑いを誘った。
昨季、森脇監督(当時)の意向により先発から中継ぎに転向した塚原は13ホールドを記録。夏場に疲れが出て、シーズンを通して活躍することができなかったが、初めての中継ぎの経験は、塚原に新たな気持ちを芽生えさせた。
「平野さん、岸田さん、馬原さん(引退)の気持ちを知ることができて、後ろで投げる魅力に気づいたのは大きかった」
今季はキャンプから1軍スタートだったが、フォームの違和感もあり紅白戦からオープン戦にかけて結果がでなかった。オープン戦の途中から2軍で調整を続けていた。なんとか開幕1軍に滑り込んだものの、「あの時はようやくフォームがしっくりしてきた時期で、ストレートだけが信じられる状態。先発ローテーションの投手が登録されたらすぐに抹消される予定だった」と塚原は実情を話している。
しかし、本人の言葉とは裏腹に3月26日の西武戦に初登板すると10試合連続無失点。4月19日の楽天戦では4年ぶりとなる勝利を挙げた。その後も防御率2点台前半の活躍を見せて、今季は後ろに回っている吉田一将とともにセットアッパーとして主に8回を担当。守護神として復活を遂げた平野につなぐ勝利の方程式に組み込まれている。首位ソフトバンクには6試合に登板して1勝0敗、防御率1.59の成績を残しており、これが工藤監督の目に止まり、オールスターにも選出されたのだろう。