球宴MVPの大谷翔平は「とんでもないモンスターに」。二刀流による大飛躍を予告していたレ軍指揮官
「マツダオールスターゲーム 2016」の第2戦が7月15日に横浜スタジアムで行われ、日本ハムの大谷翔平投手が自身初のオールスター最優秀選手(MVP)に輝いた。
2016/07/17
打者としての存在感
打席のみの〝一刀流〟でも十二分のインパクトを残した。
「マツダオールスターゲーム 2016」の第2戦が7月16日に横浜スタジアムで行われ、日本ハムの大谷翔平投手が自身初のオールスター最優秀選手(MVP)に輝いた。投手部門で事前にファン投票、選手間投票に選ばれていたものの7月10日のロッテ戦(札幌ドーム)での登板中に右手中指にできたマメの皮がむけた影響で、この日は打者として出場。それでも「5番・DH」で先発出場し、5回無死にまず左中間スタンドへ自身オールスター初の本塁打を叩き込んだ。さらに1点を追う展開の8回には二死一、二塁から同点適時打で試合を振り出しに戻し、しっかりと終盤の打席においてもひときわ存在感を見せ付けていた。
「投手として選んでもらったので自分のパフォーマンスを見せられればいいなと思っていたのですが、こういう形になってしまったので、何とか活躍したいなと思って打席に立ちました」
これは受賞決定後にテレビ中継でも放送された大谷の場内インタビューだ。いとも簡単に有言実行を果たしてしまうのだから、とにかく脱帽するほかにない。本業の投手ではなく、打者としての出場であってもセ・パ両リーグの並み居る一流打者たちを抑えて栄誉ある球宴MVPを手にしてしまう。この事実だけで判断しても、大谷の能力がすでに前人未到の領域に達していることを証明できる。
確かに大谷は日本ハムで〝二刀流〟として投手、打者の練習メニューをこなしている。だが、あくまでも本業は出場選手登録されている投手だ。だから当然、投手としての練習メニュー消化に多くの時間が割かれる。その一方で、打撃練習のメニューに取り組む時間は他の野手陣よりも必然的に少ない。それにも関わらず、打者としてもこれほどの圧倒的なインパクトを残せてしまうのだから最敬礼するしかないだろう。
そういえば、2014年11月に日本各地で開催された日米野球でMLB選抜オールスターズを率いたジョン・ファレル監督(現レッドソックス)が当時、侍ジャパンのメンバー・大谷の〝二刀流〟について日米メディアから「どう考えるか」と質問を振られ「メジャーでは受け入れ難い起用法だが、1つ言えるのは彼が数年後の日本で手が付けられないレベルの投手になっている可能性が高いことだ」と〝予言〟していたことを思い出した。これは一部のメディアでも報じられていた話なので、きっとご記憶にある方もいるだろう。