球宴MVPの大谷翔平は「とんでもないモンスターに」。二刀流による大飛躍を予告していたレ軍指揮官
「マツダオールスターゲーム 2016」の第2戦が7月15日に横浜スタジアムで行われ、日本ハムの大谷翔平投手が自身初のオールスター最優秀選手(MVP)に輝いた。
2016/07/17
他の選手では簡単にマネできない起用法で急成長遂げる
ちなみにファレル監督は同大会の期間中、来日して取材中だった米スポーツ専門局『ESPN』のクルーからの取材も受け、インタビューとして同局の情報番組でも当時オンエアされていた。その中で当時の大谷に関して、次のように具体的に語っていたのである。非常に興味深い内容のコメントなので、ここに日本語訳を掲載しておく。
「(この頃の)大谷は一見したところ、まだ投球には荒れ球が多いところもある。ただし、あの100マイル(161キロ)前後の直球を自在に出し入れしたり、しっかりコントロールできるようになったりしたら大谷は今後、とんでもないモンスターになる。おそらく、そこまでの域に到達するのにそれ程の時間は多くかからないのではないか。なぜならば彼は今後も打者として多くの打席に立ち続けるだろうからだ。打席に立てば、ただヒットや長打を打つだけではなく、相手投手の攻め方もじっくりと体感できるメリットがある。つまりは打者の嫌がる攻め方を、自分が打者を務めることによって目で見て感じ取ることができるんだよ。もし私が彼と同じ立場なら、嬉々としながら打席では頭の中で常にメモを取るね。彼は他の選手では簡単にマネのできない起用法で今後も急成長を遂げることになるはずだ」
ファレル監督の見立て通りならば、大谷は打席に立ちながら相手投手の「いい部分」と「悪い部分」を取捨選択しながら自分のエキスとして吸収し、大投手への道をステップアップ……いや、ジャンプアップを遂げていることになる。事実、日米野球が行われた翌年の2015年シーズンで最多勝(15勝)、防御率(2.24)、最高勝率(.750)の投手3部門で自身初となる個人タイトルを手にした。今年の球宴でも打席に立ってセ投手と向き合いながら、さまざまな成長要素をきっと吸収したことだろう。大谷翔平が真の「モンスター」と呼ばれる日は、着実に近づいている。