チャレンジ制度導入準備を――コリジョン新基準適用も、本塁上のビデオ判定は減らない?【小宮山悟の眼】
22日から、コリジョンルールが新基準で適用開始となった。しかし、新基準関係なく本塁上におけるビデオ判定は減ることはないだろう。
2016/07/27
Getty Images
ビデオ判定の問題点
多くのファンの方はご存知かもしれないが、NPBでは、昨シーズンまで、外野フェンス際など、本塁打かどうかという打球に対するビデオ判定が行われてきた。今年はその対象が本塁上のクロスプレーにまで広げられたのだ。
つまり、先の中日―広島戦でのビデオ判定は、コリジョンルールに付随するものではなく、単純にアウトかセーフかを検証するために映像が使用されたケースということになる。
22日から始まったコリジョンルールの新基準運用によって、コリジョンルールが適応されるケース自体は減るだろう。しかし、審判が疑義を感じた本塁上のプレーに関して、リプレイ検証が可能な限り、ビデオ判定の数に、それほど変化はないのではないか。
建前上、両軍ベンチに抗議権はないが、抗議に出てきた監督の怒りを収めるために、審判がビデオを用いることは容易に想像できるからだ。
現行のビデオ判定には、密室で行われているという欠点もある。
球場内のビジョンではリプレー映像を流さない。「熱心なファンを刺激しないために」という審判団からの申し入れで、そういう処置をとっているそうだが、テレビ中継では何度もリプレーするのだから、球場内で映しても問題はないのではないだろうか。そうすれば、観客も映像を見て「アウトかセーフか」と考えられる。ある程度の時間、試合が中断したとしてもそれほど苦にならないだろう。