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チームに必要不可欠なレイエス。「ダメ外人」評価から最も代えのきかない選手に【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#244】

3月に入りオープン戦が本格的に始まった。今季のファイターズはレギュラー争いが熾烈だ。しかし、そのなかでも主砲レイエスは別格の存在である。

2025/03/08

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産経新聞社



ケガで開幕離脱が一番怖い

 春先の試合で心配なのはケガである。金村が1塁ベースカバーで足をひねったシーンがあり、うわ、マジか勘弁してくれと思ったのだった。これは大過なかったが、レイエスが8回裏、西武・黒木優太からデッドボールを食らい、負傷交代するシーンがあり、血の気が引いた。149キロのストレート。当たった箇所は右手首だ。骨折して開幕絶望なんてことになったら大ショックだ。
 
 まぁ、黒木は去年までファイターズのユニフォームを着ていた選手であり、当てたくて当てたわけじゃない。育成契約で西武に拾われ、支配下復帰を目指して今、ぎりぎりの闘いを繰り広げているところだ。それがわかるだけに心中複雑だった。
 
 新聞には大きく報じられた。レイエスはむちゃくちゃ頼りにされている。昨シーズン前半の「ダメ外人」評価がウソのようだ。ある意味、最も代えのきかない存在といっていい。結局、翌日の検査で骨に異常がないことがわかり、皆、ホッと胸をなでおろした。これが「主砲」ということだ。「4番を任された野村佑希」はまだ「主砲」の仮免である。西武戦の「プレシーズンゲーム」では第1戦マルティネス、第2戦清宮幸太郎にいい感じのホームランが飛び出した。ファイターズは今シーズン、打ち勝つ野球をもっと見せていきたい。その構想の大前提にレイエスがどっかりと存在するのだ。
 
 それからこの西武戦シリーズはもうひとつ注目ポイントがあった。新しく実装された内野の人工芝だ。選手らも台湾から帰って、初めてエスコンの人工芝を体験した。これがハマるかどうかは、今シーズンのチーム成績に直接はね返ると思っている。
 
 テレビの見た目はそんなに変わらないから、気がつかないファンもいることだろう。MLBで導入が進む「B1K」という最先端の人工芝だそうだ。3層構造になっていて、クッションパッドの上に砂が敷かれ、その上にヤシ殻の繊維でできた柔らかい層が乗る。そこに水を撒いて湿らせて使うという。
 
 「人工芝なのに天然芝のよう。少し打球の勢いがなくなる感じはしたが、一定で来るので守りやすくなった」(上川畑大悟)
 「めちゃくちゃ柔らかい感じです。打球がとにかく死ぬんで」(源田壮亮)
 
 使用感は概ね好評のようだ。これまでエスコンの内野は守りにくいと言われてきた。チームのエラー数が減るだろうか。そこにも期待したい。

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