オリックス、リリーフ陣にようやく目途。塚原、吉田一、平野の『勝利の方程式』も完成【どら増田のオリ熱コラム#80】
前半戦を最下位で折り返したオリックスだが、18日から再開した公式戦では首位ソフトバンクを相手に2勝1敗と勝ち越し、好調な滑り出しを見せている。自力優勝が消滅しクライマックスシリーズ進出も厳しい状況に変わりはないが、今月に入り中継ぎ投手陣が整備されてきたことで、チームは強さを取り戻してきた。
2016/07/22
“守護神”平野佳寿が完全復活
さらに、チームにとって大きいのが守護神・平野佳寿の完全復活だ。
開幕当初こそエリック・コーディエにクローザーの座を譲ったが、そのコーディエが結果を残せずに抹消されると、その役が回ってきた。開幕から4月20日の楽天戦まで9試合連続無失点を記録。全盛を思わせるフォークのキレで打者を牛耳っている。
「常に抑えて帰ることしか考えてないですね」とそう語る平野だが、中継ぎ陣に「平野さんまで回せば大丈夫」という安心感を与えているのは言うまでもない。
星野伸之投手コーチは平野の復活をこう分析する。
「フォークのスピードが速くなってキレが増している。昨年は怪我に苦しんだけど、今が一番いい状態なんじゃないかな。チームにとって平野が安定しているのは大きい」
捕手の伊藤光は「平野さんが投げるときは同点までならいいくらいの気持ちで球を受けてます。ウチの守護神ですからすごく信頼もしていますし、絶対に負けちゃダメなんです。平野さんの球は全力で止めにいきます」とその存在感の大きさを語っている。
18日の福岡ソフトバンクホークス戦では5回4安打無失点の好投をしていた金子千尋が腰に張りを訴えて降板。6回から塚原、海田、吉田一、平野が継投し、僅か2安打無失点という盤石な完封リレーで強力ソフトバンク打線を封じた。
オリックスは2014年シーズン、12球団最強のリリーバーと呼ばれて最後まで優勝争いを繰り広げた。昨年は怪我人続出で中継ぎと抑えを整備できなかったが、ここへきて、陣容が固まってきた。現在、リーグ最下位と苦しい状況には変わりはないが、後半戦の反攻に向け、兆しは明るい。