マウンドで微笑む理由 表情を変えて心のスイッチを切り替える【森原康平 地道が近道】
2025/03/21 NEW
産経新聞社
表情を変えることで、自分でも心のスイッチが切り替わるのを感じます
よく〝心が身体を動かす〞と言いますが、その逆もしかりで〝身体が心を動かす〞こともあります。
僕は微笑みのクローザーと称されることがあります。たしかに僕はマウンドでよく微笑んでいます。
これは相手バッターに気持ちを悟られるのを防ぐためでもあり、仲間に安心感を与えるためでもあります。
さらに言えば、緊張してしまうと自分のパフォーマンスを発揮できないので、自分自身をリラックスさせるために楽しそうな表情をしているのです。
シーズン中、めちゃくちゃ調子の悪い日もあります。
ブルペンでまったくストライクが入らず、出番前なのにどうしようかと思うときは、言葉は悪いのですがハッタリでいくしかありません。とにかく3つアウト取るだけでいい、と腹をくくります。
ヤバいと思ってしまうと、表情で相手バッターに絶対に勘づかれてしまうので、微笑むことで「アイツ笑っているな。余裕あるな」とカモフラージュすることができます。
表情を変えることで、自分でも心のスイッチが切り替わるのを感じます。
人間、緊張すると基本的に表情はこわばるものですが、逆に歯を見せてニッコリと笑えば、身体だけが緊張するということはありません。
笑うことで、全身を弛緩させて、リラックスをして腕を振る。
だからリリーフカーに乗ると、調子が悪いときほどスタンドにいるお客さんの目を見てニッコリと笑うようにしています。
目が合ったファンの方は驚かれると思いますが、実はこうして助けていただいています。ありがとうございます。
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書籍情報
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挫折・誹謗中傷も経験。
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振り返れば、僕の野球人生は決して順風満帆なものではありませんでした。
野球の才能面では、〝凡人〟だったと言ってもいいでしょう
そんな苦しい渦中であっても自分を支えていた言葉がありました。
「成功者より成長者であれ」です。この姿勢はアマチュア時代から変わりません。
思うのは〝凡人〟だからこそ得た感覚です。
本書では、僕の『心・技・体』における成長過程や、何を考えて日々生活し、取り組んできたのかを記していきます。
プロの道を目指しているけど自分では平凡だと思っている人はもちろん、社会生活を営む一般の方々にも生きていく上で少しでもヒントになればいいなと思っています。
【了】