巨人「4番阿部慎之助」は最後の切り札。伸び悩む大砲候補たち【死亡遊戯コラム】
高橋監督が決断した4番阿部の起用。今季の開幕前の構想から大きく現実路線に切り替えた。
2016/07/30
岡本離脱の二軍は今……
だからこそ、由伸監督はオープン戦で2年目の岡本和真をスタメンで起用し続けたのだろう。
昨季2軍でわずか1本塁打だった20歳は、今季イースタンで72試合で15本塁打、62打点とスラッガーとして開花しつつある。
課題の内野守備面も徐々に向上しており、来季からは1軍で背番号38を見られるはずだ。
将来的には岡本と同じ高卒ドラ1選手の山田哲人(ヤクルト)、筒香嘉智(DeNA)、中田翔(日本ハム)といったチームを背負える4番バッターとして期待が懸かる。
とは言っても、すぐに救世主としてどうこうというのも酷な話だ。
彼ら球界を代表するスラッガーを見ても明らかなように、順調に育っても4番定着には5年はかかると思っていたほうがいいだろう。
由伸監督の「岡本4番1000日計画」はまだ始まったばかりである。
この岡本が右ふくらはぎに死球を受け戦線離脱した29日、イースタンロッテ戦の巨人2軍クリーンナップは平均30.6歳。
3番セカンド脇谷亮太(34)、4番DH堂上剛裕(31)、5番ライト北篤(27)というメンツだった。
脇谷は西武から出戻りFAで復帰、堂上は中日、北は日本ハムからのアラサー移籍組だ。
入団時は右の大砲として期待された13年ドラフト2位和田恋は2軍で打率.254、2本塁打と伸び悩んでいる。
岡本がいない夏は、まるで抜け殻のようなジャイアンツ球場。
2軍と3軍の試合を続けて見ると、どうしても巨人若手野手の小粒さが目立ってしまう。
現在13名も在籍する助っ人選手とともに編成・スカウト部門からの見直しも必要になってくるだろう。
偉大なる「4番阿部」も永久に不滅ではない。
今、巨人軍に必要なのは抜本的な改革である。