DeNA・桑原、1番打者として増す存在感。発想転換で掴んだレギュラーの座
昨年の後半戦とは一転、息切れせずにクライマックスシリーズ争いを繰り広げるDeNA。強力クリーンアップが控えるだけに、1番打者・桑原の出塁がカギを握る。
2016/07/29
レギュラーの座をほぼ手中に
だが前半戦はしばらく競争を余儀なくされる。スタメンは対左ピッチャーが主だったが、桑原の特異なところは右ピッチャーをまったく苦にしないところである。その証拠に今シーズン、対右ピッチャーだけを見れば桑原の打率は3割を超えている。
「対左のときは当然結果を残さなければならない。大事なのはスタメンで使ってもらったとき、リリーフが出てきて対右になったときしっかり打つこと。そうすればレギュラーに近づくのではないかと自分なりに考えていました」
1番、2番、7番とチーム事情により変動していた打席も6月20日からは不動の1番打者として毎試合名前を連ねるようになり、レギュラーの座をほぼ手中に収めたと言っていいだろう。オールスター後の後半戦スタート前、ラミレス監督は桑原を梶谷とともに打者のキーマンとして指名している。一時期3割以上あった打率は、現在2割6分程度に下がってしまったが、ラミレス監督からの信頼は揺るがない。
桑原と言えば6月24日の巨人戦で菅野智之からの満塁弾を含むひとり6打点を挙げた大活躍が印象的だが、一方で7月28日の中日戦で2‐15の今シーズンワーストの敗戦を喫したとき、ひとり気を吐き2打点挙げた必死さや献身ぶりを忘れてはならない。
「まだレギュラーを取ったとは思っていません。今のままではダメだし、毎日しっかりと仕事ができるようにしたい。1年間フルでやってみないと本質は見えてこないと思うので、最後まで継続していきたいですね」
冒頭で桑原は「結果を求め過ぎてもいけない」と語ったが、それは単に目先の結果にとらわれてはいけないという戒めか。シーズンも残り50試合を切ったこれからが本当の勝負。梶谷、筒香、ロペスの中軸を生かすためにも桑原の存在感は、今後より増していくことになるだろう。